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CSCDスペシャル活動レポート

身体と言葉から探る「ほんとらしさ」の秘密

2012.3.20 知デリ「ほんとらしさのホント〜語る身体、踊る言葉~」

身体と言葉から探る「ほんとらしさ」の秘密

異領域で活躍するゲストを迎え、表現や技術について話し合うトークプログラム、知デリ。「ほんとらしさ」の秘密に迫るために、学生スタッフが選んだゲストは? 身体表現のプロと言葉の専門家の共演。

 2012年3月20日、「ほんとらしさのホント~語る身体、踊る言葉~」を開催しました。"私達が違和感なく自然に受け取っていることが、実はどこか変で不自然なことかもしれない―。"そんな普段の暮らしの中に隠れている「ほんとらしさ」の秘密に迫り、そこから「伝える・伝わる」仕組みに目を向けてみよう、というのが今回の企画の主旨でした。そしてお招きしたゲストは、国内外で活躍なさっているマイム俳優いいむろなおきさんと、漫画や小説における役割語研究の第一人者の金水敏さんです。会場にさせていただいたのは、大阪西区の南堀江にある萬福寺というお寺で、知デリとしては初めての開催場所となりました。

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まず初めに活動のご紹介として、いいむろさんからお話を交えながらパフォーマンスをしていただきました。いいむろさんのマイムは、言葉を用いず身体のみで表現をしますが、体一つとは思えぬほど表現力豊かで見事なパフォーマンスに、会場からは感嘆の声が上がりました。またユーモラスな場面では笑顔がはじけ、少し切ない場面では息を詰めてじっと見入っているご来場の皆様の姿が印象的でした。

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続いて金水さんの活動のご紹介では、ご研究なさっている役割語について非常に分かりやすく解説をしていただきました。ご本人が白衣に白髪・口ひげという博士スタイルで登場なさるというサプライズで会場を沸かせつつ、漫画やアニメなど私達にとって身近な例をたくさん取り上げながらレクチャーしていただき、ご来場者からは「非常に新鮮だった」、「言葉の不思議さを実感した」などのご感想をいただきました。

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 このように、活動紹介の時点で既にかなりの盛り上がりを見せながら、対談はスタートしました。お二人の巧みなトークで会場はさらに賑わいつつ、次から次へとお話が広がっていきました。身体と言葉という、一見全く違う分野のプロフェッショナルでいらっしゃるお二人ですが、「自然さと不自然さ」、「刷り込みやステレオタイプ」といった視点からは、様々な共通する事象や概念が発見され、話題が尽きることはありませんでした。ご来場者からは「『無意識のすりこみ』にドキッとさせられた」、「言葉と身体という対極を取り上げつつも、共通性が見えて面白かった」などのご感想がありました。また対談の中でも、金水さんが解説なさったことをいいむろさんが体を動かしながら表現なさるというシーンが多々見られ、非常に盛りだくさんの内容となりました。
 そのような中あっという間に対談終了の時刻となってしまい、会場からの質問全てをお聞きすることはできませんでした。ですがゲストのお二人のお力により、プログラム終了後のアンケートからは多くのご好評をいただきました。また、予想をはるかに超える方にお越しいただいたため、多くの方に立ち見をしていただくなどのご迷惑をおかけいたしましたが、皆様にご協力いただいた結果、無事にプログラムを行うことができました。

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 アンケートには、「それらしいものから本物を伝えるのであり、正しいものばかりから本当を伝えられるわけじゃないのだなと改めて感じた」、「言葉、動作、そしてそれに繋がる『伝わる』というものについて非常に興味を持つことができた」などのお声をいただきました。ご来場いただいた皆様をはじめ、ゲストのお二人、またスタッフにとりましても、今回の対談が私達の日常の中の「伝える・伝わる」ということについて、改めて思いを巡らせる機会となったのではないかと思います。


(新倉奈々子/大阪大学文学部4回生)