大阪大学 COデザインセンター

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スペシャル卒業生インタビュー
株式会社みつヴィレッジ 代表取締役、株式会社リバースヴィレッジ 代表取締役

八百 伸弥さん

質の高いコミュニケーションが「発生する場」をつくる
2017年4月14日(金) 投稿

COデザインセンターで様々に展開される授業や活動。それらに関わった方々が、その後どのように歩みを進めるのか。卒業生の方々にインタビューするシリーズです。

今回は、COデザインセンターの前身のひとつであるコミュニケーションデザイン・センター(CSCD)の活動に関わっていた八百 伸弥さんにお話をお聞きしました。

(「2017年度COデザインセンター履修ガイドブック」から転載)

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八百 伸弥さん

卒業後、株式会社船井総合研究所を経て独立。姫路の実家に戻り、農業の法人株式会社みつヴィレッジを設立。2017年春に事務所スペース/カフェ/イベントスペースとして「ものづくりカフェ」をJR網干駅前に開設予定。

大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻 博士前期課程修了
株式会社みつヴィレッジ 代表取締役、株式会社リバースヴィレッジ 代表取締役


「地域のつながりを作り出す」カフェを開設する

 (2017年3月にオープン予定の)カフェには、リバースヴィレッジ(Rebirth Village)という名前をつけました。リバースというのは「生み直す」という意味を込めています。地域社会のあり方を生み直すという点で言うと、何十年前かまでは、こういった「人の集まる場所」が多く存在していて、その中で地域のつながりというものを形成していた。しかし今はそういった場が失われてきています。地域活性化の1つとして、「地域のつながりを作り出す」ということは是非やりたいと考えていました。カフェという場を持つきっかけになったのは、僕たちがやっている農産物直売所での出来事でした。いろいろな人が来てくれて会話が生れて...その雰囲気がとても良いなと思ったんです。世代を超えたつながりというのもそうですし、いろいろな背景をもつ、何かに秀でた人たちとのつながりも作っていきたいです。それらコラボの中で、思いもしなかった方向へも行くこともいっぱいあるので、それはそれで絶対楽しいと思います。
 僕は地域活性というテーマをいろいろな切り口でやっていますが、基本はあくまでも『ロボット屋さん、機械屋さん』なのです。その立ち位置は絶対に変えないつもりです。ですから、僕は農業も料理も、ものづくりだと捉えています。そして、ものづくりというのは広く発信していくことが重要だと思っています。ものづくりの面白さが、もっと広がらないかなと感じているところもあります。

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(カフェでは物販も行なっている。ひとつひとつ、八百さんが吟味した品物が店に並ぶ。)

 こんな事業を展開しているのも、3年間の船井総研での経験が大きいですね。その後独立して、少し時間の余裕ができて、自分の中で振り返りができたんですよね。振り返って今だからわかることは少なくないですね。3年間で身につけたものを、4年目5年目で自分の中に落とし込んで、自分はこういうことが得意だなということがやっと見えてきた。今の自分があるのは、全ての仕事を断らなかったからなのです。
 多種多様な仕事の中で、色々な気づきがあります。それらの全てが、自分の成長する機会だと捉えています。失敗もしていますよ。でも、自分が失敗を経験しているからこそ、誰かに仕事を任せた時に、その失敗の可能性の広がりが見えて、それに対する対策も考えておくことができる。また、組織のリーダーとして、そして仕事のクオリティに責任を取る立場としてやっていくためには「仕事を楽しむ」ことが大切です。それは、自分が仕事を楽しむというだけではなく、一緒に働くみんなが仕事を楽しむことができるようにする、ということです。自分のことを大切にするのと同じように、相手のことも大切に思うことが重要なんです。

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(様々な「ものづくり」の設備があるのもカフェの特徴。所狭しと最新の機械が並ぶ。)

伝えることが難しいからこそ、質を高めたい

 CSCDの授業の中でも一番覚えているのは、平田オリザさんの演劇の授業です。一番インパクトがあって、一番勉強になったと思っています。「伝えたことが伝わったことではなく、伝わったことが伝えたことだ」ということ。僕は社員やパートさんに話をするのですが、向こうがこの話をどう受け取るか、ということまで考えることができるようになったのは、平田オリザさんの授業があったからです。
 僕がCSCDで視野が広くなったのは、同じ専門分野人たちの中でなら苦もなく伝えられたことが、専門分野が違えば考え方も違うという中で、伝えることが難しい、という経験をしたからだと思います。

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(カフェに来た人がいろいろな経験ができる仕掛けを多く用意している。)

 そういうことは社員とのコミュニケーションだけでなく、お客様とのコミュニケーションにも当てはまりますね。僕はとにかく、お客さんの満足を追求したいと思っていて、その満足が何なのかということを考えると、やはりお客さんとの質の高いコミュニケーションだと思うのです。僕は、このカフェのあり方として、どれだけお客様の会話に入っていって、質の高いコミュニケーションをしながら、お客様のやりたいことを引き出し、同じことをやりたいと思っている人とつなげることができるかということを考えたい。まずは自分自身や社員が仕事を楽しむことが大切だと思っています。自分たちが楽しいから、お客さんが新しいお客様を紹介してくれるし、仕事が楽しいから、社員が新しい社員を呼んできてくれたりする。そうやって広げていくことが重要だと思っています。(了)