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スペシャル開催/参加レポート
第二回 豊中地区 研究交流会

「文×理『知』の融合」会場レポート

(2)
2018年1月30日(火) 投稿

去る2018年1月10日に
大阪大学豊中キャンパス 南部陽一郎ホール にて行われました
第二回豊中地区 研究交流会
「文×理『知』の融合」

会場の様子をレポートする、第2回目です。

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今回取材させていただいたのは、
醍醐 龍馬 先生(法学研究科 助教)です。


「私の研究対象は
樺太千島交換条約です。

この条約によって、明治政府はロシアとの間で
どのように雑居地樺太をめぐる領土問題を解決したのか。
その過程を解明するというのが
私の取り組んでいる研究です。」


IMG_3052.jpg


樺太千島交換条約・・・
高校の日本史の教科書で学びました。

「そうですよね。
日本史の教科書などでは
非常に簡潔に書かれていることが多いです。

しかし実際は、日本、ロシアとも
周辺諸国との複雑な関係の中で
交渉にのぞんでいたのです。」


「日本は、交渉当初は
東アジアの国々と対立関係にあったため、
ロシアとの関係を安定したものにしたいと考えていました。
でも、かといって簡単には譲歩できない。

なぜなら、国内情勢として
不平士族の問題や薩摩と長州の対立があり
外交で失敗できない
というプレッシャーがあったからです。

非常に難しい状況のなか
榎本武揚は
交渉担当者として
黒田清隆に抜擢されました。

彼は、
ロシアの船舶が太平洋に出る通り道として
千島列島北部の海峡が非常に重要であることを
理解していました。


しかし、難しい交渉が続く中、状況が変化してきます。

まず、
交渉の初期の段階で
日本をめぐる東アジア情勢が安定してきました。
これにより
日本がロシアに
必要以上に譲歩しなくて良くなったのです。」


「そして榎本は、
交渉終盤に
ロシアの焦りを感じ取ります。

ロシア側としては
バルカン情勢の悪化や
中央アジアの問題、
中央ヨーロッパ情勢の悪化があり
極東の問題は早く終わらせたい
という事情が出てきたのです。

このような状況が
条約締結につながっていくのです。

そして、この条約の結果
ある一定の期間において
日本とロシアの関係が安定することになるのです。」


醍醐 先生のご専門は
日本政治外交史です。

日本側の視点だけでなく
ロシア側の視点も把握しつつ
交渉の細部を描きなおしていく
というのがご研究のテーマとのこと。

ご研究の特徴は
近年公開が進みつつあるロシア側の史料を
積極的に利用するという点にあるそうです。

今回お話くださった
ご研究内容は
NHK「英雄たちの選択」でも
資料として採用されたそうです!


(樺太千島交換条約を含む
北方領土問題が発生するまでの歴史的経緯、概要については
外務省のウェブサイトに説明があります。
こちらをご覧ください。)


個人的に、醍醐先生のお話は
日本史好き、特に幕末の歴史が好きな私のような人間には
たまらない面白さでした!
また是非あらためてじっくりと、お話を伺う機会があればと
思いました。

※ 所属、担当はインタビュー(2018年1月)時点のもの。

(書き手:森川 優子/大阪大学COデザインセンター特任研究員)


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第二回豊中地区 研究交流会「文×理『知』の融合」
そのほかのレポートはこちら↓からどうぞ。

(1)理学研究科大学院生 中沢 遊 さん インタビュー
取り組んでおられるミューオンのご研究についてだけでなく、物理の魅力についてもお話くださいました。


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昨年度(2017年度)の
第一回豊中地区 研究交流会「文×理『知』の融合」
レポートはこちら↓からどうぞ。

(1)理学研究科大学院生 澤さん、石堂さんインタビュー
超文系の取材者に、大学院生の方々がわかり易く丁寧に説明してくださいました。

(2)経済学研究科 准教授(当時)松村 真宏 先生インタビュー
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(3)基礎工学研究科 助教 大谷 智仁 先生インタビュー
心臓の一部「左心耳(さしんじ)」のご研究について。未来の人間ドックが変わるかもしれません。