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イベントレポートスペシャル
イベントレポート

Australia-Japan Research : Liveability and Resilience

- 日豪の科学技術外交:住みやすく、しなやかな社会の在り方を探る
2018年11月 9日(金) 投稿

2018年11月2日、大阪イノベーションハブにおいて「Australia-Japan: Science & Technology Diplomacy and Responsible Research & Innovation for Liveability and Resilience」が開催されました。

当日の会場の様子について、レポートします。

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<開催概要>
日時:2018年11月2日(金)13時から17時
会場:大阪イノベーションハブ
プログラム:
  12.30 - 13.00 Venue Open & Registration
  13.00 - 13.15 Welcome Remarks
  13.15 - 14.45 Panel Discussion 1: "Responsible Research and Innovation"
  14.45 - 15.15 Tea Break with Refreshments
  15.15 - 16.45 Panel Discussion 2:"Liveability and Resilience"
  16.45 - 17.00 Closing remarks
   ※使用言語:日本語・英語(同時通訳有り)


平日にも関わらず、日豪両国から多くの方にご参加頂きました。

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開会の挨拶では、在大阪オーストラリア総領事館、大阪大学COデザインセンター、オーストラリア国立大学(ANU)Australian National Centre for the Public Awareness of Science のそれぞれの代表者と、本イベントの共催者でもある大阪イノベーションハブの代表者からご挨拶がありました。その中では、それぞれの大学・機関の取り組みや、ここまでの日豪間の連携について触れられました。また、学術面や経済面などの分野における日豪の積極的な連携によって、両国がますます発展していくことへの強い期待についても話されました。

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前半のセッションは "Responsible Research and Innovation(責任ある研究・イノベーション:RRI)" をテーマとしました。まずは日豪両国の3名のパネリストから、それぞれの研究およびその分野での日豪の連携について発表がありました。

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<登壇者>
Professor Matt James, College of Engineering and Computer Science, The Australian National University
Professor Hideyuki Hirakawa, Center for the Study of Co* Design, Osaka University
Associate Professor Sujatha Raman, Australian National Centre for the Public Awareness of Science, The Australian National University


Matt James 教授からは、量子コンピューターの技術的な研究の話とともに、量子技術がすでに活用されている場面や、今後社会に適切に取り入れるための現状と課題について、説明がありました。

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平川秀幸 教授とSujatha Raman 准教授からは、RRIの定義や課題・ポイントについて、また、日豪それぞれの取り組みについて説明がありました。

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質疑応答では、"先進的な企業から我々の想像を超えた技術が次々と出てくるが、RRIとこのような技術開発とのバランスはどう取るべきか?"、"どのように関係者を巻き込むのか?"、"企業が快適にディスカッションできる仕組みはどのように作れば良いか?"といった質問が出されました。

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パネリストは自身の専門分野と絡めながら質問について議論を行いました。多くの質問の根底には "How can we anticipate the future? (未来をどうやって予測するのか?)" という問いがあるようでした。パネリストからは「オープンな議論をしっかり交わしていくこと」という意見が出ました。国という枠組みを超え、日豪でともに未来をイメージすることが必要不可欠であり、かつ、それは実現可能なことであることも強調されていました。

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前半と後半のセッションの間には Tea break が設けられました。各々の大学の取り組みを説明するポスターを前に、あちらこちらで積極的な議論がなされていました。まさしくこの場で、新しい日豪のコラボレーションが生まれていたことでしょう。

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後半のセッションは "Liveability and Resilience(住みやすさとしなやかさ)" というテーマで、4名のパネリストが登壇しました。


<登壇者>
Professor Tim Colmer, Faculty of Science, University of Western Australia
Professor Masakazu Sugiyama, Research Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo
Professor Brendan Barrett, Center for the Study of Co* Design, Osaka University
Professor Barbara Norman, Canberra Urban and Regional Futures, University of Canberra


Tim Colmer 教授からは、世界で年々増加している食料需要と洪水の発生という両方の課題について、その解決策となる「洪水に対抗できる農業」の研究が紹介されました。また、日豪の農業面での連携についても触れ、「日本のうどんの小麦は、約90%がオーストラリア産である」という話には会場からは驚きの声があがっていました。

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杉山正和 教授からは、太陽光発電と水素を利用した新技術における日豪での連携について紹介がありました。日本と比べてオーストラリアは日照量が非常に多く、広大な土地もあり、太陽光発電に向いています。日本が太陽光発電を利用し、再生可能エネルギーによる発電割合を増やす上で、オーストラリアは最高のパートナーであるということが強調されていました。

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Brendan Barrett 教授からは、最新の「世界の住みやすい都市ランキング」を例にあげながら、住みやすい都市とはどのような都市か?という点について説明がありました。世界の住みやすい都市ランキング第2位はオーストラリアのメルボルン、第3位は日本の大阪とのことで、両国の参加者にとって非常に身近なテーマだったようです。

Barbara Norman 教授からは「より持続的な都市や地域になるための7つの道筋」というタイトルで、統合的なアプローチをしていく重要性とそのエッセンスが話されました。

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後半のセッションも活発な質疑応答となりました。「食料問題にはどのように統合的にアプローチするのか?」、「日豪がコラボレーションするのに適しているのはどの分野か?」、「大阪は住みやすい都市第3位だが、今後30年以内にマグニチュード7の地震がくる確率が70%とも言われている。こういった点についても考慮すべきではないか?」といった多く質問が出ました。

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また前半のセッションを踏まえて、「コミュニティとの関わり方はどのようにするのが良いか?」といった質問も投げかけられ、「大学がもっとオープンになってサポートをしていくことが期待されている」などのコメントがありました。

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前半後半ともに、予定時間いっぱいまで質問が続きました。

閉会の挨拶ではCOデザインセンターとANU Australian National Centre for the Public Awareness of Science の代表者からそれぞれ総括がなされ、今回のイベントは幕を下ろしました。

イベント終了後も参加者同士で積極的に議論する様子が見られ、本イベントを通じて"住みやすく、しなやかな社会の在り方"について非常に有意義な意見交換ができたと考えます。

(書き手:吉田篤 大阪大学 理学研究科M2)