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インタビュー技法

Interview method in Cultural Anthropology

池田光穂

イ ンタビュー技法には、大きく次の4つがある、1)構造化インタビュー、2)半構造化イン タビュー、3)非構造化インタビュー、そして4)フォーカス・グループ・インタビュー(フォーカスを取り「グループ・インタビュー」と言うこともある)で ある。非構造化インタビューには、3)-1:デプスインタビュー(深層インタビュー)と、3)- 2:民族誌的インタビュー、の2つに下位として、これまた大きく2つにわけられる。簡単に解説すると、次のようになる。

1) 構造化インタビュー:

予 め決められた質問紙やアンケートなどをもとに、対話をつづけていき、その質問(=調査者 の側で構造化されており、質問されたほうも思考のラインで答えることができる)の間におこった質的な情報を記載してゆく方法である。ただし、アンケートを 口頭でとり、質問者が記載するだけの方法は、構造化インタビューとは正確には言えない。質問に自由記載やメモの部分が散べられており、質的な情報が記載で きないとインタビューとは言えず、単に口頭でアンケートをとったということになる。

2) 半構造化インタビュー:

予 め質問項目をきめておき、それらを録音機(ICレコーダー)やメモなどで質問を続けてゆ く。アンケートを用意しておいて、それを取りながら(あるいは口実にしながら)、それにまつわる情報を採集する方法もある。この場合は、アンケートから脱 線した方法を採用するわけであるが、調査倫理上の問題(関係のないお しゃべりに情報の価値がありそれが研究レポートとして採用されること)が生じる可能性がある。そのため、半構造インタビューは、自由に質的調査ができる方 法の代表のように扱われているが、じつはデリケートな方法論と倫理上の問題を抱えていることも忘れてはならない。

3) 非構造化インタビュー:

構 造化されていない質問を通して情報を、対話と観察のラインで調査者(インフォーマント) から引き出す手法である。これには、いわゆる「深い」対話――じっくり話込むことを想起されたい――であるデプスインタビューと、民族誌調査のなかでおこ なわれるインタービュー(ある状況に参与しながら次々と質問をして対話のなかから情報を引き出すこと、あるいは「教えていただく」こと)にわけられる。文 化人類学者(民族誌家=エスノグラファー)が、もっともよく、彼女/彼のフィールドでおこなうことが、この方法である(→フィールドワーク)。

4) フォーカス・グループ・インタービュー

フォー カス・グループ・インタービューとは、フォーカスド・グループ(=対象として焦点化 された集団)、例えば:保健師の人たち、例えば:特定の疾患を抱えた人たち、例えば:ある固有のタイプの労働に携わっている人たち、を集めて、そのグルー プのなかで、対話したり、集団に対して、それぞれの参加者から情報を得る方法である。この方法が面白いのは、対象とする人たちからの情報を多様に収集する ことができる点である。他方、多くの人に集まってもらうために、謝金などのコストがかかる――行政関係者によって地域の人たちをボランティアとして集まっ てもらいこの方法をおこなうことは調査倫理上の問題をはらむこともあ るので留意すること。他方、談話が盛り上がれば(主宰者の調査意図とは無関係に)参加者に喜んでもらえるメリットもある。この方法は、質的情報がたくさん 集まる利点があるが、議論が拡散したり、逆に、調査主宰者が発語をコントロールをしたり、また被調査者の間の人間関係のトラブルなどについて配慮しないと ならない点で、さまざまな工夫がいるものである。また、情報の正確性などから、他のインタービュー手法などで、その情報についての確度・精度を検証する必 要がある。

そ れらの間の関係は、下記の表にしめそう。

※表をクリックすると単独で大きく なります。

● インタビューのエピステモロジー

「言 語の自民族中心主義 (ethnocentrism)から逃れるた めには、……自由なインタビューによって集められた話題を内容分析にかけるだけでは不十分である。研究者が使っている言語の概念やカテゴリーをそのまま押 しつけてしまう危険があるからである。言語活動の科学以前の構成作用――つまり研究者による構成作用であれ、研究対象の人々による構成作用であれ――から 解放されるためには、これらの[2種類の]構成作用のシステムを方法論的に対決させて適切な科学的構成を導くような弁証法を確立しなければならない」―― ブ ルデュ、シャンボルドン、パスロン. 1994[1973]『社会学者のメチエ』田原・水島訳、藤原書店

文 献

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