伝統医療・伝統的医療
Traditional Medicine
解説:池田光穂
伝統医療とは、文字通り古くからある医療のことである。しかし、例えば、ヒポクラテスの医療は、アスクレピオスの医療に比べると伝統医療と呼びがたいという心証をもつ研究者がいるという経験的事実が、伝統医療という言葉のニュアンスにある、非西洋医学性を物語っている。
つまり、伝統医療とは、(1)非西洋医学の歴史的伝統をもち、(2)施術者が公教育などの近代合理的なシステムによって再生産されていない(されにくい)、(3)歴史的価値が認められた、医学・医術の体系をさす。
もちろん、このような定義では、正統な大学教育で教えられる、アーユルベーダーや中国医学(中医学だけでなく日本の漢方や鍼灸医学を含む)は、伝統医学ではないことになってしまうので、それらは例外であり、伝統医学そのものである。
ここがユニーク!:それ自身で独立したカテゴリーとしてではなく、伝統医療を理解するためには、その参照軸となる近代医療を抜きにしては語れないことを明らかにした(もちろん議論の余地はある!)
【参考文献】
(池田光穂 . Mitsuho Ikeda, copyright, 2000-2008)