パラミリタリーの起源
The Origines of Paramilitary Organization
解説:池田光穂
パラミリタリーあるいはパラミリタリー組織(準軍事組織、準軍事自警団)とは、軍隊や警察と関わりをもつ「民間」の公認・非公認の準軍事あるいは暴力組織のことである。
パラミリタリーと言われるのは、基本的に軍隊(ミリタリー)と類似の中央集権的な階級構造をもち、具体的には彼らと親密な関係にある庇護あるいは被庇護組織による行動において、恐怖や直接的暴力を使って、彼らが考える「統治」を遂行するからである。
パラミリタリー組織の形成のされ方には、所説あり。ひとつには、元警察官や元軍人が引退後も治安維持のために、友愛的なネットワーク組織をもち、地元の警察や直轄する軍隊との関係を保ち、その利権を維持伸張していくためだと考えるものである。軍隊や警察は、国家の「非常事態」には、これらのパラミリタリー組織を利用して、政権の移行や政敵の暗殺や言論の抑圧を円滑に遂行する。この考え方は、パラミリタリーが自生的な性格をもち、軍隊や警察と「連携」するものから生まれたと考える。他方、パラミリタリーは、明確に中央政府からの働きかけにより形成され、地元の政治組織・軍隊・警察が深くその形成と維持に関与するものと考える。例えば、農村のゲリラ活動を「防止」するために、中央の軍隊が地元民に銃器を供与し、自警団を組織するのがその典型的な例である。
パラミリタリーは、その活動において非公然で自律性をもった組織であることが多く、それらと深く関わる政党、軍隊や警察すら把握していないこともある。とくに、それらと深く関わる政党、軍隊や警察などから、銃器や金品の供給――軍事的ロジスティクス――を十分に受けない場合は、パラミリタリーはいわゆる組織を「自活」させるために、さまざまな犯罪に関わることがある。このようなことから、パラミリタリー組織と、やくざやマフィアなどと峻別がつかないこともある。
パラミリタリー組織の多くは、伝統的なマッチョ(=男性優位主義)を公的あるいは非公式的に採用しているが、これは、尚武を尊ぶ軍事的伝統に由来すると思われる。ジョジュル・ソレル(1847-1922)のいう神話的暴力[→リンク]の信奉者たちである。また規律を重んじ、さらに暴力的発露や階級忠誠を尊ぶ傾向があるので、しばしば威信行為をおこなうこともある。他方で、社会からの非難を畏れて秘密結社的に構成員をリクルートすることもあり、彼らの集団的エートスは非常にアンビバレントである。
構造的暴力 テロリズム
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