かならず読んでくださいpratique anthropogique
愛の新世界
エピグラム:「振り返ってみれば、20世紀の諸々の言説は、愛や情欲を交換不可能なものとして語りつづけてきた。愛には相手を殺すサディズムか自分を殺すマゾヒズムしかないと言ったサルトルや、あらゆる愛はナルシスティックであると断言したジャック・ラカンをおそらく理論面での頂点として、他者を絶対の〈外〉として立てつづけるレヴィナス亜流の思想家たちや、他者を欠いたナルシスティックなシミュレーション世界を追認するメディア論者たち、さらには「ひとと触れあうことができない」と嘆きつづける『エヴァンゲリオン』の登場人物まで、いたるところに同じ不可能性の言説が、時には通俗的に、ときには高/尚に、しかしいつも同じように暗いまなざしで徘徊していると思うのは筆者[=兼子、引用者]だけだろうか」。――兼子正勝「訳者解説」クロソウスキー『生きた貨幣』pp.160-161,青土社、2000年
この授業は「文化人類学的想像力」を培い、それを明日を生きる学生のみなさんの 活力の源にすることを目的としてつくられました。大学に入ってちょっと元気や目標 を失った学生、ここらでリフレッシュしたい2年生を対象にしたのはそのためです。
授業はまず想像力に冠されたことば「文化人類学」とは何かについて学びます。そ こでの4つのキーワーヅは、異文化経験、フィールドワーク、民族誌、そしてモラル です。
授業は、それと平行しながら3つの著作『ゲバラ戦記』(チェ・ゲバラ)、『苦海 浄土』(石牟礼道子)、『闇の奥』(J・コンラッド)の読解に入ってまいります。 これらの著作は、すべて秀逸な文学作品ではありますが、それぞれ一見まったく異な ったジャンルに分類されているものです。しかしながら、これらの著作は文化人類学 的想像力を介して、じつは相互に深くむすびつく著作なのです(対位法的読解, contrapuntal reading)。
あらゆる文学作品は呼びかけ(appel)である。書くとは、言語を手段として私が企てた発見を客観的な存在にしてくれるように、読者によびかけることである。
――サルトル『文学とは何か』加藤周一訳
後半では社会的想像力を人間の活きる源泉としてとらえた思想家――その中でも私はシャルル・フーリエには大きく影響を受けております――の著作などを織り交ぜな がら授業は展開していきます。もっとも、最後の部分は、このシラバスを書いている 私にも、よくわかりません。
みなさんの積極的な参加をお待ちしております。
[キーワード]
文化人類学、異文化体験、民族誌、フィールドワーク、ユートピア思想
[テキスト]
現在テキストにしたいと考えているものは以下のとおりです。
[参考文献]
Heart of darkness : an authoritative text, backgrounds and sources, criticism / Joseph Conrad ; edited by Robert Kimbrough. New York : Norton , c1988
原田正純『水俣病』岩波新書、1972年
原田正純『水俣病は終わっていない』岩波新書、1985年
ドゥルーズ,ジル『差異と反復』財津理訳、河出書房新社, 1992年
フーリエ、シャルル『四運動の理論』(上・下)巌谷國士訳、現代思潮新社、2002年
ドゥブー、シモーヌ『フーリエのユートピア』今村仁司ほか訳、平凡社, 1993年
ビーチャー、ジョナサン『シャルル・フーリエ伝 : 幻視者とその世界』福島知己訳、作品社, 2001年
翻訳者の福島知己さんからホットなメールをいただきました(2002.02.04受信)。
訳者の福島さんは、ご親切にも、皆さんの質問にも答えてくれるそうです。よく読んで疑問点を整理して質問しよう![質問は池田が取りまとめて承り、責任をもって伝えます]
[事前学習]
[事後学習]