統治術・統治性
とうちじゅつ Art of Governance;とうちせい governability
統治術(art of governance)とは、対象を支配する技術/技法のことである。
フーコー(特に後期の)によれば、統治術はヨーロッパにおいて、当初、君主がそれを身につけるものとして出発したが、やがて、人々が自らの対象を支配する方法として拡張されて使われるようになったという。もちろん、それは概念と適応範囲の単純な拡張ではなく、統治という概念と、人々の統治の対象の概念、およびそれらを規定するような社会の変化と相互に関連するものの結果である。
統治術は、フーコーの生−権力(bio-power)の概念と関連しながら、より洗練された形に結実する。
フーコー以降に見られる〈統治術〉概念の多元化については、以下の7つ程度の使い分けがあるようなので、注意が必要である。
現代の様々な統治術
1)〈市民〉を産出する技術:〈市民〉に対応する〈政府〉:市民とは誰か、政府とは何か、技術(テクネー)技法(アート)とは何か
2)主体(=臣下・臣民 subject)を統治=支配を通した、組織的実践:主体の精神性・合理性・身体性に関わる技術・技法とは何か
3)統治の技法:マキャベリ『君主論』(ca.1514)
4)どのように統治すべきか?という問いに対する具体的指針として〈臣民=主体〉に呼びかける際に表出するもの:我々はどのように〈行動〉すべきか?
5)統治術の背景にある統治理性を意味するものとして:統治理性(=統治する合理性)を想定した時に、それに先立つ当為(sollen)の探究
6)フーコーが分析する際に、その導きの糸となるガイドライン:自己への配慮、パレーシア、司牧型権力、訓育、真理の体制、経済ゲーム
7)標的になる「社会」を統治可能にすることができる技法や戦術:(住民の行動が予測可能になった後の)広報デザイン、コミュニケーションデザイン
■ 統治性と生権力論の関係(→生権力論)※作図が見えにくい時は画像をクリックしてください
■ 多層化(マルチレイヤー化した)権力概念※作図が見えにくい時は画像をクリックしてください
◆ リンク集