オリエンタリズム
Orientalism
解説:池田光穂
西洋世界が、異質な他者である東洋世界を描写してきた際に、動員された認識論的想像力の結果としての表象の中にみられる諸様式について批判的検討したエドワード・サイード(1935-2003)の書名であると同時に、その批判的概念のこと。
もちろん、これまでの「オリエンタリズム」という言葉には、芸術の様式や(西洋世界にとっての)エキゾチックな文化表象を指し示す一般的な用語法があるが、人文社会学者が頻繁に言う批判的概念としてのオリエンタリズムは、次のような特徴があることに注意しなければならない。
1.オリエンタリズムの反対は、オクシデンタリズムではないこと
オリエント(東方)の反対は、西洋(オクシデント)なので、これはお互いに、東西の文化からみた、政治的中立な立場をとった他者表象であると思ってはならない。オリエンタリズムの独自性とは、その逆がなりたたないこと。言い換えれば、他者を表象する側と、表象される側の権力的な不均衡関係に由来する言葉である(→2.を参照)。
2.オリエントを表象する認識的作用は、権力と無関係ではない
この著書におけるサイードの批判的視点の源泉に、フーコー的な意味での、権力と知識の不可分な実態あるいは相互補完関係というものがある。何かを見る(=分析する)、表象する、それらの表象について考えるという一連の知的作業は、権力の真空状態の中で生まれるものではなく、我々の社会関係と同様、権力的なプロセスと深い関係にある、ということがポイントである。何かを表象する〈主体〉がもつ力は、表象される〈主体〉の構築にも関連してくることが、これで理解されるだろう。
→池田による、サイードのオリエンタリズム[ノート]
※いい加減なメモですので、是非原典にあたることを前提に、入門として参考にしてくださいね。
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