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アイデンティティと生き方

The one's identity and the way of life of one's self

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かいせつ:池田光穂



私はこれまでの章で、実践はたんなる個人 の主観的な行いや営みではなく、社会関係のなかで生みだされることを述べてきた。実践はコミュニティという社会関係のなかにおいてはじめて具体的な意味を もってくる。では、行為者はそうした社会的に構築される実践のなかでいかに自分の位置を確認し、自分の生き方を追求していくだろうか。
・実践は、個人の主観的なおこないや、営 みではない。
・実践は、社会関係のなかでうみだされる。
・コミュニティは社会関係を生成させるものである。
・社会的に構築されるものが実践である。
・自分の位置を確認すること、自分の生き方の追求は、「実践のなかで」おこなわれる。
この最終章では、実践する行為者がコミュ ニティに参加しながら、その一員であることを自覚するとともに、さらにそのなかで自分の位置を占有し、位置取りを確保していく可能性を追求してみたい。ア イデンティティとは集団のなかに自分を見いだすことだけではなく、自分が自己に対する関係を築いていく過程をともなっている。
・行為者は実践することもあるし、実践し ないこともある?
・実践者はコミュニティに参加しながら、そのメンバーであることを自覚することがある。
・自分の位置を占有し、位置取りを確保していくことに、田辺は何らかの意味・意義を見いだす
・アイデンティティとは、「集団のなかに自分を見いだす」+(プラス)「自分が自己に対する関係を築く」ことでもある。
こうしたアイデンティティの形成とは、コ ミュニティの規則や規範に同一化することではなく、世界に対する多様な関係を構築していく〈自由の実践〉、すなわち生き方の探求なのである。これまで検討 してきた北タイの霊媒カルト、エイズ自助グループやその他の事例を中心にしながら考えてみよう。
・したがって、アイデンティティの形成と は、「世界に対する多様な関係を構築していく〈自由の実践〉」のことである。
「世界に対する多様な関係を構築していく〈自由の実践〉」こそが、田辺のいう生き 方である(田辺 2003:220)。

実践、社会関係、慣習、権力関係、権力支配、差異化、ハビトゥス、参加、協働、対立、交渉、社会性、〈自己の統治〉、〈アイデンティティ化〉


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