異種なるものの共存/接合
あるいは、戦争機械論
解説:池田光穂
まず、次の2つの絵を見比べてください。
※拡大するには、それぞれの画像をクリックしてください
みなさんは、この絵についてどのような感想を持たれるでしょうか?
最初の絵は、ロックグループであったエマーソン・レイク・アンドパーマーのアルバム『タルカス』のジャケットです。戦車のようなものとアルマジロらしき動物が合体し、その砲身はこちらを向いています。
次の絵は、日本の怪獣映画であったウルトラ・セブンに登場した「恐竜戦車」です。後にソフトビニール(通称:ソフビ)になった模型の写真です。こちらは、「邪悪な」宇宙人のせいで、太古の恐竜と戦車という機械と合体させられた「生物兵器」であるとドラマの中では説明されます。
戦車という玩具は、かつて(あるいは現在においても?)男児のおもちゃの代表でした。戦車はピストルとならんで男性性器や性的活動の隠喩とみなされることもありました。砲身はペニスを表象し、突撃は性行為におけるペニスの挿入を意味するとう解釈をされたこともあります。
他方、より一般的には戦車は、あらゆるものを踏みにじる(性的力と結びつく)力強さを象徴すると同時に、さまざまなものを暴力的に破壊する(それでいて自身はびくともしない)ものでもあります。こちらは、戦車と自己を同一化する見方ではなく、戦車を外部より、それも対峙するものとしてみる見方に由来します。
たとえば、テレビ映画『コンバット』におけるアメリカの歩兵に立ち向かうドイツ軍の戦車、プラハにおけるソ連軍の戦車、インティファーダにおけるイスラエルの戦車に投石するパレスチナの人たちの情景を浮かべてみましょう。
戦車という戦争機械という隠喩の問題を、この奇妙な合体物と関連づけて考えてみましょう
● 戦争表象論入門