地域研究
Regional Studies
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解説:池田光穂
【定義】
地域研究とは地球上の地域に関するさまざまな情報を整理、統合する学際研究のことである。地域研究では、地球上の表面を大きな諸地域(アジア、アフリカ、北米、中南米、ヨーロッパ、オセアニア 等々の大区分あるいは、北アジア、東アジア、中米、南米、ミクロネシア等々のより細かい地域 の小区分)にわけておこなう研究分野がある。これも文化人類学、地理学、政治学、経済学など の「地域を研究対象にする経験的あるいは実証的な諸学問分野が集合した総合科学」である。地 域研究をおこなっている機関は、大学の研究所や国立あるいは私立のシンクタンクなどにある。
これは、地域研究をおこなうことに具体的な目的があるからである。世界の諸地域の動向を知る ということは、政治ならびに経済に大きな支配力を行使することができるからである。第二次大戦中から言語研究から始まった地域研究が、第二次大戦後には、現状研究(comtemporary studies)に力点をシフトしながらアメリカ合州国で大きく発展したのもこのことによる。
1950年に『地域研究:理論と実践』というきわめて実践的な地域研究(ただし彼はarea research)の教科書を書いた文化人類学者ジュリアン・スチュアードによると地域研究には次の大きな4つの目的があるという。
1.世界の重要な地域について実践的価値のある知識を提供する
2.研究者に対して文化相対主義に関する意識を促す
3.各地域の社会的・文化的総体についての解釈を提示する
4.普遍的な社会科学の発展を促す
この目的を達成するためスチュアードは地域研究の3つの方法論上の特徴について指摘する。
(i)フィールドワークの重要性
(ii)集中的な語学修得の必要性
(iii)複数の研究者が参入する学際研究
アメリカ合州国での地域研究の流行は1960年にピークを迎え、60年代末から70年代初頭にかけて地域研究と軍部の結びつきが指摘され、研究者や市民により批判された後、70年代以降随時衰退して、1990年代には地域研究の火はほとんどなくなる。
日本では1960年にアジア経済研究所(通産省所轄:1998年JETROと統合し独立行政法人となった)発足、1964年東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所、1965年には京都大学東南アジア研究センターが生まれ、今日に至っている。また1994年には地域研究企画交流センターが国立民族学博物館に附設する形で発足し、2004年地域研究企画交流センター、京都大学東南アジア研究所、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、そして北海道大学スラブ研究センターが連携した、地域研究コンソーシアム(JCAS)を形成した。
Steward, Julian H. 1950. Area research : theory and practice. New York : Social Science Research Council, 164 pp.
◆ 関連リンク
地域科学・地域研究・国別研究(池田光穂)
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