植民地的想像力
colonial imagination, imaginacion colonial
解説:池田光穂
マイケル・タウシグ(1987)による用語。植民地状況の場において異質な文化的政治的背景をもった人が邂逅することで、それぞれの双方のなかに生まれ出る想像のこと。植民地状況の場とはプラット(1992)のいうコンタクトゾーン(接触領域, contact zone)のことであり、植民地状況が、そこに登場するさまざまな人々に規定する行為や振る舞い、暴力や交渉などを、必然的あるいは偶発的に生むが、行為者(agent)が抱く想像力のことである。
そこでは、植民地状況およびポスト植民地状況のなかで「働く=[フィールド]ワークする」文化人類学者、医療人類学者もまた、そのような植民地的想像力の産物である。人類学者のなかには、このような近代的理性の一種である想像力が、自己と他者を次のように規定することが、太田(2009: 306-307)によって示唆されている。 たとえば「一方において、自己をエキゾティックな存在の前に解き放とうという精神、他方において、他者を了解可能な存在として飼い慣らそうとする精神である」。
文献
Taussig, Michael. 1987. Shamanism, Colonialism and the Wild man: A study in terror and healing. Chicago: University of Chicago Press.
Pratt, Mary Louis, 1992. Imperial Eyes: Travel writing and transculturation. London: Routledge.
太田好信『民族誌的近代への介入(増補版)』人文書院、2009年
Copyright, 2009(c): Mitzub'ixi Quq Chi'j