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ハンナ・アーレント『全体主義の起源』読解ノート

Introduction to Hanna Arendt's The Origins of Totalitarianism,

池田光穂

このページは、Arendt,Hanna. The Origins of Totalitarianism, 1951 の解説ページです。各項目からリンクするようになっています。

全体主義の起源の全テキスト:The Origins of Totalitarianism. by HANNAH ARENDT

■まず最初に絵解き(曼荼羅)から、ハンナ・アーレ ント『全体主義の起 源』を少しでも読んだことのある人は以下のような用語があったことを思いだすはずです。

《全体主義の遡及力について》

 全体主義と闘うためには、ただひとつのことを理解 せよ、とハンナ・アーレントはいう。それは〈全体主義は自由に対するもっとも根源的な否定〉と言うことだ。ただ し、自由の否定は、あらゆる暴政に通底する。つまり、地球上のどのようなところでも、暴政が片鱗としてでも見受けられるようなところには、全体主義の運動 が胚胎し、アーレントが言うように、非全体主義的社会に不可避的に存在する全体主義の〈遡及力〉を否定することができないのだ。――「全体主義の本性につ いて」

    1. 反ユダヤ主義
      1. 憤慨から常識にいたるものとしての反ユダヤ主 義
      2. ユダヤ人・国民国家・反ユダヤ主義の誕生
        1. ユダヤ解放のいかがわしさと、国家のユダヤ人金融家
        2. 初期の反ユダヤ主義
        3. 最初の反ユダヤ政党
        4. 左翼反ユダヤ主義
        5. 安全の黄金時代
      3. ユダヤ人と社会
        1. 賎民と成り上がり者のあいだ
        2. 信用のある魔法使い
        3. 悪徳と犯罪のあいだ
      4. ドレフュス事件
        1. 判決の事実
        2. 第三共和政とフランスのユダヤ人
        3. 共和国に抗する軍部と聖職者
        4. 人びとと群集(モブ)
        5. ユダヤ人とドレイフェス派
        6. 恩赦とその意義
    2. 帝国主義
      1. ブルジョアジー(階級)の政治的 解放
        1. 拡張(膨張)と国民国家
        2. 権力とブルジョアジー
        3. モブと資本のあいだの同盟
      2. 人種主義以前の人種的発想
        1. 市民による「国民」に抗する貴族という「人種」
        2. 国民解放の代わりとしての人種的統合(Race unity)
        3. 歴史への新しい鍵
        4. 「英国民の権利」〈対〉人権
      3. 人種と官僚制
        1. 暗黒大陸の幻影世界
        2. 黄金と人種
        3. 帝国主義者の性格
      4. 大陸の帝国主義:汎運動について
        1. 部族ナショナリズム
        2. 無法状態の遺産
        3. 党派と運動
      5. 国民国家の没落と人間の権利の終焉
        1. 「少数民の国民(ネイション)」と無国籍の人びと
        2. 人権の当惑(難局)
    3. 全体主義
      1. 階級なき社会
        1. 大衆
        2. モブとエリートの一時的な同盟
      2. 全体主義運動
        1. 全体主義のプロパガンダ
        2. 全体主義の組織
      3. 権力を掌握した全体主義
        1. いわゆる全体主義国家
        2. 秘密警察
        3. 全体的支配
      4. イデオロギーと恐怖政治:新規の統治形態(a novel form of government)


自由ノード(→英語のテキスト

反ユダヤ主義とユダヤ人嫌悪は違う

    1. 階級社会の崩壊
    2. 全体主義運動
    3. 全体的支配
    4. イデオロギーとテロル
**
    1. 階級社会の崩壊
      1. 大衆
      2. モブとエリートの一時的同盟
    2. 全体主義運動
      1. 全体主義のプロパガンダ
      2. 全体主義組織
    3. 全体的支配
      1. 国家機構
      2. 秘密警察の役割
      3. 強制収容所
    4. イデオロギーとテロル
***
  1. 階級社会の崩壊
    1. 大衆
    2. モブとエリートの一時的同盟
  2. 全体主義運動
    1. 全体主義のプロパガンダ
    2. 全体主義組織
  3. 全体的支配
    1. 国家機構
    2. 秘密警察の役割
    3. 強制収容所
  4. イデオロギーとテロル
****

0. 序文

    1.  執筆背景
    2. sine ira et studio
    3. ……

1. 階級社会の崩壊



   2. 全体主義運動

    1.    

   3. 全体的支配

      1. イデオロギー的に不可謬という課題
      2. スターリンが、トロツキーの専売特許である〈永久 革命〉をシステムとして剽窃したのか?(p.142)
      3. 永久革命(承前)
      4. 権力の横溢
      5. 権力の横溢としての全体的支配権
      6. 【1.国家機構】革命の長期化による革命精神の衰 退
      7. 失望と憤激
      8. 幻滅
      9. テロルの蔓延
      10. 憲法のというものの無効、あるいは無憲法状態
      11. 全体主義は一枚岩ではない
      12. 権力や役職の二重化
      13. 秘密警察が党に属することの意味
      14. 憲法の形骸化はナチが一枚上手
      15. 支配機構の構造は、無構造
      16. 管区の増殖
      17.  
      18. 運動の機動性
      19. 官僚制下におけるエージェントの増殖
      20. 無構造権力下における〈学問〉組織
      21. ソビエト
      22. 秘密警察の真の権力〈対〉党官僚の見せかけの権力
      23. ソビエトの無力性
      24. 無構造性
      25. ヒエラルキーのなさ
      26. ベリア
      27. ヒムラー
      28. Primus inter pares


   4. イデオロギーとテロル:→イデオロギーと恐怖政治:新規の統治形態(a novel form of government)

■ 関連情報


◎全体主義入門に関するメモ

全体主義という概念バラックの解体に向けて!

【反ユダヤ主義】

1.反ユダヤ主義〈対〉ユダヤ人嫌悪:両者は全く こ となった思考様式である。

2.国民国家の成立とその洗練化が進むと、異質な 存 在としてのユダヤ人がイメージの中で〈可視化〉される。

3.イメージの中で可視化された〈ユダヤ人らし さ〉 は実は幻想である。なぜならば、同化傾向(=平準化)にあった、実際のユダヤ人は、社会にさまざまな影響を与えつつも、実際は多様化をとげて、他の国民と 変わらない存在になっていた。

【重要なポイント:結論】

2.と3.の著しい違いが意識されず、〈ユダヤ人 = 特殊〉、〈ユダヤ人=陰謀家〉というステレオタイプが確立し、構造化されていった。これが、〈反ユダヤ主義〉の典型的な特徴と思われる。

ユダヤ人嫌悪と反ユダヤ主義は異なる

【帝国主義】


【全体主義】


【その他のアイディア】

・参考文献「ユダヤ人は狩猟民ではない、ユダヤ人は 寄生虫」(ヒトラー)――『わが闘争』第11章。および同書、第6章「戦時宣伝」――ちなみに、この章は、ハンナ・アーレントも、テロリズムとプロパガン ダの関係についての重要な示唆を与えてくれる文献として注目しています

・【政治家たちを調べるリトマス試験紙】実証主義者 や功利主義者(プラグマティストを含む)たちの思考が人間本性は普遍であり社会を含む環境を変えようと発想するのに、全体主義者は、人間の本性が変えられ る――とりわけ「科学」と教育を通して――と考えるのだ。それゆえ前者の実証主義者を含む非-全体主義者は、人間の福祉や福利を全面に推し出すのだが、全 体主義者は、そうは考えない。個々人の福利よりも社会(や経済)の公益性を優先するのだ。その意味で(ギリシャ――当時)チプラス首相や、イケメン度にお いてははるかに劣るが安倍晋三は、全体主義者の系譜ないしは方向性に位置する政治家である(2015年7月1日)。

・僕は、あらゆる民主政治は全体主義的な性格をもつ ことを免れえないのではないかと思います――トクヴィルが生きていたら僕を批判するでしょうが――その上で、政党の「世界観化」に歯止めをかけ、(特定の 党派だけでなく政党)政治そのものの全体主義化傾向をどのように飼いならすかが、ポイントになるでしょう。ISなどは近代政治の脅威ではなく、イランの祭 政一致や北朝鮮の「行き過ぎた」全体主義統治――北朝鮮には言葉の正しい意味での「政治」は存在しません――をどのように対処してゆくのかのかのほうが、 我が国の政治には重要な課題だと思います。

・地球全体の支配、という全体主義の論理――僕は理 念的支配における修辞という説をとるけど――を論証するために、彼女(アーレント)は、あの長々とした帝国主義の解説をしたのか? もちろん、後者におけ る異民族支配の議論は、国民国家の概念の崩壊と(ユダヤ人を嚆矢とする)人権の消滅という彼女の議論に完全に重なるけどね




■その他の情報:全体主義の起源、読解マップ


資料

ひとつの民族、ひとつの帝国、ひとりの総統と読める Photo by Hugo Jaeger is the former personal photographer of Adolf Hitler.

http://www.vintag.es/2016/05/rare-wwii-color-photographs-taken-by.html


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