ベーコンの4つのイドラ
講師:池田光穂
イドラ(idola)とは、イドルム(idolum)すなわち偶像やこころに現れる心像の複数形である。フランシス・ベーコン(1561-1626)が『ノヴムオルガヌム』というラテン語の著作において、人間が陥りやすい4つの誤りについて述べたものが特に有名である。
ベーコンは、スコラ哲学的な演繹による論証ではなく、帰納法による論証の重要性を主張したので、イギリス経験論の元祖的存在として認められている。もちろん、イドラ論で人間が陥りやすい経験について批判した当の本人が、思弁的になりがちな演繹論ではなく、経験論の偉大なパトロンになったという逆説がおもしろいが、翻訳もあるし(ラテン語で読んでいる人は少ない)ぜひとも『ノヴムオルガヌム(新機関)』を読んでみることをおすすめします。
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市場のイドラ(idola fori)言語による偏見
洞窟のイドラ(idola specus)個人的偏見
劇場のイドラ(idola theatri)依拠する伝統的思考による偏見
種族のイドラ(idola tribus)人間という種族そのものによる偏見
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