かならずよんで ね!

人体実験の生命倫理学

Bioethics of Human Experimentation, Experiment on human bodies.

池田光穂

歴史に残る人体実験で、被験者を実験動物代わりにつ かい、かつ被験者に対する非人道的な取り扱いをしたものは、ナチスによる強制収容所における人体実験や、旧・日本軍・関東軍防疫給水部(731部隊、石井 四郎部隊)による中国大陸における臨床実験、あるいは九州帝国大学医学部でおこなわれた生体解剖事件などである。

しかし、RCT(ラ ンダム化比較実験、あるいはランダム化対照試験:Randomized controlled trial)をつかった臨床実験も、倫理的問題に対する対応を承認された上での、人間を被験者にする人体実験である。人間 を治療対象にする行為実践はすべて人体実験になりうる資格をもつものであることを喝破したのは中川米造(Yonezo NAKAGAWA, 1926-1997)であるが、これ は真理である。

したがって、人体実験の計画には倫理審査が不可欠で あるし、そのことにまつわる生命倫理学、あるいは研究倫理に関する考察が不可欠である。

さて、被験者の同意のもとでの人体実験の多くは、 (健常人を含む)被験者の同意あるいは報酬(多くは金銭)の受け取りによる契約がなされることがあった。この場合の「被験者の同意」は、多くは「病人」で あり、医師や実験家による臨床治験を受けることで、一縷の望みをたくす者であり,後者の金銭による報酬の受領による、健常者は、実験による体の不調をモニ ターすることを条件に不調による研究の被験者から自由になれることを保証した上での同意をとった。

以下に事例を考えてみよう。

1)嗜眠性脳炎によるLードーパ(L-3,4-dihydroxyphenylalanine, L-DOPA)の投与実験(→「『レナードの朝』をめぐる議論」)

2)ハンセン病の治療薬であるプロミン(商品名。薬品名はglucosulfone sodium)

「ハンセン病と結核はともにマイコバクテリウム属の 細菌(それぞれらい菌と結核菌)によって引き起こされることがすでに知られていたことから、ルイジアナ州カーヴィルにあった国立ハンセン病療養所のガイ・ ヘンリー・ファジェットは、パーク・デイビスにプロミンの情報を求めた。彼らはこれに答えて、セントルイス・ワシントン大学医学部のエドマンド・カウド リー (Edmund Cowdry) による、ラットでのハンセン病の研究結果をファジェットに知らせた。カウドリーが1941年に発表したこの結果は成功裏に終わるものであったため、ファ ジェットはプロミンとアボット・ラボラトリーズ社による類似の薬・スルホキソンナトリウムについて、ヒトでの治験開始を決意した。最初の試験は6人の志願 者に対して行われ、のち、場所と被験者を増やして繰り返された。副作用が強かったため最初の試験は一時的に停止されたが、プロミンは治療に有効であること が示された[8][9]。この結果は画期的なものとして世界中に知らされ、ハンセン病につきまとっていた汚辱的な印象(スティグマ)を緩和し、その時代 「収容者」として公共の場所から遠ざけられていた患者の扱いを向上させた[10]」

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Maya_Abeja

Mitzub'ixi Quq Ch'ij, 2018

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