かならずよんで ね!

寛容的理性のアンチノミー:ス ラヴォイ・ジジェクの暴力論:04

Antinomies of tolerant reason

池田光穂

パラグラフ番号(垂水源之介式)
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《リベラリズムか、原理主義か、どっち もくたばれ!》カントの純粋理性のアンチノミー. 人間の有限の理性 は、始まり、空間的限界、誕生の理由があるのか、それとも無限なのか? それに取り組むと、感性を超えようとする時に自己矛盾に陥る。
「1 世界は有限(時間的、空間的に)である/世界は無限である。
2 世界におけるどんな実体も単純な部分(それ以上分割できないもの)から出来ている/世界に単純なものなど存在しない(物質は無限分割可能である)
3 世界には自由な原因が存在する/世界には自由は存在せず、世界における一切は自然法則に従って生起する。
4 世界の内か外に必然的な存在者(世界の起動者=神)がその原因として存在する/世界の内にも外にも必然的な存在者など存在しない」https://omg05.exblog.jp/17423213/
アンチノミーの問題は、どちらも正しいと推論できるからである。この理性の矛盾が解消されない限り、「純粋理性の安楽死」が訪れ、懐疑主義のスパイラルに 陥る。
・デンマークの新聞に載ったムハンマドの諷刺画問題Jyllands-Posten Muhammad cartoons controversy)は、寛容的理性のアンチノミーを突きつけているのだ。
Immanuel Kant developed the notion of the 'antinomies of pure reason'. Finite human reason inevitably falls into selfcontradiction when it attempts to go beyond concrete sense experience to address such questions as: Does the Universe have a beginning in time, a limit in space, an initial cause, or is it infinite? The antinomy arises because it is possible to construct valid arguments for both sides of the question: we can conclusively demonstrate that the universe is finite and that it is infinite. Kant argues that if this conflict of reason is not resolved, humanity will lapse into a bleak scepticism which he called the 'euthanasia of pure reason'.1 The reactions to the Muslim outrage at the Danish caricatures of Muhammad - the other violent outburst that stirred public opinion in the West in the autumn of 2005 - seem to confront us with a similar antinomy of tolerant reason: two opposite stories can be told about the caricatures, each of them convincing and well argued, without any possibility of mediation or reconciliation between them.
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リベラル派の解釈:ムスリムは裁判で訴えればいい
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書かれたものは聖なるものである、という信念。
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・西洋のリベラル派が激怒するのは、イスラム系の新聞やメディアの、反ユダヤ、反キリスト教的な主張。
・シェイク・タージ・アルディン・アル・ヒラリの「猫の比喩」から、ムスリムの男性は、欲望をコントロールできないという論理を引き出すことが可能。
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・デンマークへの反応は、反ムスリムではなく、反帝国主義の兆候だという解釈も登場。
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・単にデンマークの新聞は、キリスト教に依怙贔屓。
デイビッド・アーヴィングDavid Irving)事件
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アーヴィングを抑圧してはいけない、記憶のためには、それを否定する彼のような人が必要。
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無反省な点は、ムスリムにもある、ヨルダンの新聞における、ホロコーストを茶化す風刺。
・フロイトのジョーク
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アフマディーネジャード、のホロコースト否定発言
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アフマディーネジャードの引用
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アフマディーネジャードの問題と、その批判的機能。
ラーナン・ギッシンのアフマディーネジャード批判と、セシル・ウィンターの皮肉
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・イスラエルの絶対的罪は、ホロコーストという絶対的な切り札を出さないと国際政治がまともに遂行できないことだ。ただし、これを「ホロコースト理性のアンチノミーということはできない」と書いて、主張をほのめかすのは、アポファシスの典型。
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ヌーメナルな対象を扱う場合、正当と認められる理性の使用は、否定的=消極的使用だけである(カント)
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・イスラムの矛先が、でオリアーナ・ファラーチ(Oriana Fallaci, 1929-2006)はなく、なぜ、ヨーロッパか?
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ファラーチ批判
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オリアーナ・ファラーチ」の位置付けの困難な、そして困った、ムスリムと多文化主義者への批判。
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多文化主義者の、ムスリムに対する卑屈な敬意を、ファラーチは理解していない!
フィンケルクロート(Alain Finkielkraut, 1949- )の、反人種差別主義の問題点。→「問題は隠された人種差別にある
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・ブッシュの「イスラムに敬意を」発言の分析。
宗教あるいはそのイデオロギーの内的真実を救い出し、その真実の二次的な政治利用を分離するというゲームは間違いで、非哲学的である(144)。(→45パラグラフ以下の無神論の称揚に繋がる)
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《エルサレムの白墨の輪》:国家の基礎 には、その創設時の暴力がある。
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イスラエル人がジジェクを冷やかす
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イスラエルという「非合法暴力」
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なぜ、人は暴力に敏感か?
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パレスチナ人はイスラエルの過度の「非 合法」国家建設を批判する
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メヘナム・ペギンの引用。解放運動の闘 士はテロリストにあらず
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ペギンと知らなければ、イスラムのテロ リストの自己弁明と思うだろう
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(出典不明な文章)
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ベン・ヘクト(ハリウッドの脚本家)
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ベン=グリオンの引用。アラブとユダヤ 人の間に解決は、ない。
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ヴィーゼンタール『正義であって復讐に はあらず』
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イスラエル国家の建設により、先住のパ レスチナ人の権利は「切り詰められる」
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ヴィーゼンタールの主張の解説と批判。 イスラエルは、いつまでも犠牲者の位置を取り続けることはできぬ。
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「ユダヤ人は、そのほうが楽だからという理由で、彼らの苦境の原因を作った連中、つまり、彼らに借りがある連中から土地を取らずに、パレスチナ人から土地を取ったのだ、と」p.151)
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ロバート・フィスクのドキュメンタリー (Robert Fisk, Middle East Correspondeni

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引用と解説
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イスラエルーパレスチナ紛争
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「現実的になれ、不可能なものを要求せ よ」1968年のモットー
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パレスチナ人を作ったのは、イスラエル のナショナリズムである。
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バディウの、シオニスト国家批判。
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禁酒法時代の矛盾する論理
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ラビンの対話路線を評価。
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イスラエルには、シオニストの勝利とア ラブ人への非難をしないこと。パレスチナ人には、神政の周辺国と手を切ること
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エルサレムにおける国民国家概念の放棄 しかないという処方箋
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本物の母親と主張する2人の女性を、判 別する方法(中に子供をおいて両方から引っ張る)
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イスラエルとパレスチナのディアスポラ 性
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《無神論という匿名の宗教》正しい選択 をする限りにおいてのみ「選択の自由」が可能になる。
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問題にも、正しい問題と誤った問題があ る
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フレンチ・フライを自由フライにしたら 容認されず、トスカーナ・フライになった経緯。
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前項の続き
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スロヴェニアにおける、モスク建設の容 認の是非
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スロヴェニアのロックグループの皮肉
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反ムスリムの風刺画の位相(続き)
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ヨーロッパがまとまるためには、宗教一 般を信じる(=尊重する)大義を捨てる他なく、それは「無神論という匿名の宗教」を立てて、その旗印に集まることだ。
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宗教の復古主義(言説)への、もっとも 有効な処方箋は、古き良き無神論の復興である。
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もう原理主義者をステレオタイプするの はやめよう。
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チャールズ・ダーウィンとローマ教皇。 そして、厄介な、エルンスト・ヘッケル
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エルトン・ジョンの反ゲイ批判、から宗 教批判への転調の見事さ
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宗教の大義が、人間個人のモラルを崩壊 させる
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9.11の時のカマラーゾフのニヒリズ ム
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原理主義者が宗教を機能不全にするやり 方:神を愛しているなら好きなことをしてよい。
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イーヴ・ル・ブルトンの老婆のエピソー ド=右手に火のついた皿、左手に水のついた鉢。(アラン・サン=ドニ『聖 王ルイの世紀』文庫クセジュ

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無神論者が善い行いをするのは、それが 善いからである。
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ルクレティウスの『物の本質について』からスピノザまで、無神論。
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欧州憲法にキリスト教の理念を含めるの かについての論争。近代ヨーロッパの最大の遺産は無神論にあるというジジェクの主張が展開。
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真の無神論者の徳目は、他者の信仰にケ チをつけるのではない。宗教を信じる他者を子供のように扱うか、「真理の体制」の多様性という相対主義に立って、明確に主張される真理は「暴力的な押し付 け」であり、真理の資格なしと排斥するしかない。ムスリムに対する真面目な敬意を示す方法は、己の信仰に責任を持つ「まじめな大人」として扱うことだ。

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リンク

文献

その他の情報

Maya_Abeja

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