かならずよんで ね!

イデオロギー的カテゴリーとしての寛容スラヴォイ・ジジェクの暴力論:05

Tolerance as an Ideological Category

池田光穂

パラグラフ番号(垂水源之介式)
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ノート
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・処方箋としての寛容、批判というところか?
・その答えは、リベラル多文化主義者の「政治の文化化」にある。(→多文化主義批判「(経済がもつ普遍的価値への包摂を 促進させるかにみえる)グローバルな状況においても、それぞれの文化が固有の価値をもつことを 称揚するが、その文化的差異は、人種主義(あるいは人種差別思想)が持つような、支配者が被支配者の差異があったまま、その差異を固定化させるようなイデ オロギーとして作用しているのだ、ということ」ジジェク教授による厄介な多文化主義批判
・文化的差異を、所与のもの、超克不可能なものとして自然化され、毒を抜かれる
・ジジェク先生の処方箋は、「政治の文化化」から「文化の政治化(poloticalization of culture)」である。
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175

・ハンチントンの「文明の衝突」論の病理
・フクヤマの「歴史の終わり」も楽観論ながら、ハンチントンと同じと主張。
・「文明の衝突は、歴史の終わりにおける政治である」
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175-176

・フクヤマもハンチントンも、文化をエンジョイしている、文化を自由な選択としている人たちの対立である。
・野蛮をうむ究極の原因は文化そのものだ、という逆説。
・《文化を同一化することは、他の文化での不寛容をうむ》テーゼ→これは文化相対主義を掲げる文化人類学への挑戦とみてよいだろう。
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176

・リネベラリズムの中で文化は生き残るが、それは私的なものとしてである。
・《文化の聖体変化transubstantiation = transsubstantiatio in Latin》
・文化は、普遍化には邪魔になるので、主 体(形成において)は文化を欠いているべきだ。
・これはデカルト的主体、のカントヴァージョンである。
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デカルトの引用、方法序説、谷川訳、 24-25ページ。他者は、我我より理性を働かせることがある。
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「民族」は個人の私的利用において止め るべきというカント的信念。
・ローティ:私的領域は、我々のイディオクラシーの空間である。
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177-178

・世界=市民=社会という公的空間は、普遍的シンギュラリティという逆説、単独者としての主体が、特殊性を媒介を迂回して、直接普遍に関与する、短絡現象をさす。
・私的なものは公的である(→公的領域と私的領域に関する議論
・The personal is political(個人的なこととは政治的なことのだ!)- Carol Hanisch,(→「はじめてのフェミニズム」)
・カントをローティの批判者として読むべき:「人が本当の意味で普遍的であるのは、共同体的諸々のアイデンティティの狭間にあって、根源的に単独であるときだけである」
・社会的アイデンティティの縛りの外に出ること。
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179

《普遍性の効力》
・寛容というリベラル概念を疑ってかかる。
・寛容は、暴力である(説)
・西洋のリベラルは他者の文化の内実(例:陰核切除、子殺し)には不寛容なくせに、自分たちの問題含みの文化の内容(美容整形、妊娠中絶)には寛容であ る。
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・自由選択(主義)の破綻
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180

・ヴェールを自分の意思でかぶること は、西洋で中華料理に行くのと同じ。
自由選択をするには、自分の文化から、切り離される、暴力的な過程を経なければならぬ
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・この暴力が、社会から個人を解放す る。
アブ・ハニーファAbu Hanifa, 699-767)「コミュニティにおける意見の相違は、神の慈悲の現れである」
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・リベラリズムは、果たして限界がある思想なのか?
・「自身の限界について自己反省する感 性は、リベラリズムによって推進された自律性と合理性の概念があってはじめて可能になる」
・「形式は大切であるというヘーゲルの教え」
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・「ほかの文化を不寛容な、あるいは野 蛮なものとして切り捨てる態度の裏側には、ほかの文化の優秀さをやすやすと認める態度がある」(p.182)
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183

・「このようにリベラリズムに対する 『ラディカルな』ポストコロニアル的な批判は、マルクス主義の標準的なレベルにとどまっている」
・標準的なポスモは、反本質主義的
・「実際ここでは、人権の担い手である「人間」は、市民というものに形を与える政治的実践の産物である。
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183-185

・普遍的形式のヘゲモニーを支える特殊内容の同定<普遍性の形式自体の出現に関する問題を提起すること
・商品交換とグローバルな市場経済という特定の社会的状況においては抽象化が現実的な社会生活の特徴になるということ。
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・形式は、社会生活に物質的な痕跡を残すそれ自体の力学を備える(クロード・ルフォール[Claude Lefort]、ジャック・ランシエール[Jacques Rancière,])
・ジャック・ランシエールの自由平等の見かけから、「象徴的効果」を発揮するアイディアをえる。
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187

・特殊な生活世界から、普遍性が現れること
・ホメロスの真の問題は、起源を超え て、あらゆる時代に訴えかける力はなぜなのか?その理由を説明することだ。
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・解釈の紋切り型を批判
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189

・ニーチェの変身;(α)保守的で高潔 な現ファシスト、(β)フランス的、(γ)カルスタ啓ニーチェ。
・人権概念の普遍的形式と、本当の意味との間の緊張、それが、人権そのものの一部をなす。ニーチェ(解釈)も同じ。
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190

・ブリュメール18のマルクス。
・誠実な王制主義が、共和主義の空想的な支えとなる
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191

・理性の狡知
・特殊性は、普遍性の仮面となる。
・個人としての資本家は、自分のためだと思っていて、普遍資本の拡大再生産に寄与しているとは思わない。
・資本主義の魅力でもあるが、とてつもなく、対自的に普遍的であること
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191

・「文化なき普遍性というリベラリズムの主張』→真理となる。
・世界を欠くことも資本主義の特徴(バディウ)
・資本主義=普遍性が続く
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・我々の文化は我々の問題なので、ケチをつけるな、は(普遍性理解がないために)誤 り。
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193

・プリモ・レーヴィー
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194

《冥界を動かさん:地下の領域》
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195

・全体主義は、規則の適用の厳格さを強調するが、実際にはやらない。
・全体主義は、慈悲の体制。それゆえに、違法行為、賄賂、詐欺が跋扈する。
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196

・不文律の複雑な体系
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・ソビエト崩壊後の秩序と「不文律」の 崩壊

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197

・命令が、自由意志への質問の形でなされる
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198

・日本は、有給休暇を与えられるが、それを半分しか使わない。そう期待されているから、がその答え。
31
198

・競争をして、勝っても、勝利者がそれを辞退し、敗北者もそれを辞退し、勝利者が結果的にその地位につくことで、友好的ライバルの関係が維持される。(→互酬性/互酬制
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199-200

・ユーゴスラビアの学生新聞の当てこすり号外
33
200

・『ニツプ/タック』の番組講釈
34
201

・慣習は、我々のアイデンティティの構成要素そのものだ。
35
202

・オーウェルの引用
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・〈自分が本当に信じているものに対し て、バカにしたような態度をとる

37
203

・再びオーウェルの引用

38


・〈隣人〉とは体臭をもった人々のこと だ、だから、脱臭剤や石鹸が売られる。
39
204

・カトリック教会の小児性愛スキャンダ ル
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205

・フラッギング=戦場でどさくさに紛れ て嫌な上司を殺す

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・ウェルギリウス「我、冥界を動かさん Acheronta movebo」
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206

・フモレスケ(シューマン)
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・子供がぶたれている(フロイト)
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・これこそがイデオロギーの仕組み
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・兵士コミュニティにおける同性愛とゲイフォビア
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アブ・グレイブ刑務所(Abu Ghraib prison)事件へのアプローチ[→「拷問」]
アブグレイブ 刑務所(アラビア語: سجن أبو غريب‎ Abū Ghuraib、英語: Abu Ghurayb Abu Ghraib prison)は、イラクの首都バグダッドから西へ約32kmの場所に位置する施設。サッダーム・フセイン政権時代には反政府勢力をこの刑務所に収容し、 拷問、処刑が行われていた。しかし、この施設の名前が一般に知られるようになったきっかけは、イラク戦争で戦犯となり、この施設に収容されたイラク人兵士 に対し、この施設を監督していた米軍の関係者が、人間性を無視した非人道的取り扱い、拷問をしている現場の写真が2004年1月にマスコミによって公表さ れたことによる(→Abu Ghraib torture and prisoner abuse)。現在この施設は、刑務所または収容所として使用されてはいない。現、バ グダード中央刑務所」
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・サダム・フセインの拷問と、米軍の拷 問の差異
・米軍の心理的陵辱。カメラでの記述。

https://en.wikipedia.org/wiki/Abu_Ghraib_torture_and_prisoner_abuse、 より
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・アメリカにおけるユースカルチャーに おけるイニシエーションやいじめ。
・アブ・グレイブの拷問は、自分たちのカルチャーに内在する暗部を思い出させた。
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・アブ・グレイブのやり方は、アメリカ南部における、黒人虐待(リンチ)における犠牲者に対する(リンチ→虐殺とやる前から「結果」が決まっている)挑発と酷似。
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A FEW GOOD MENア・フュー・グッドメン
Code red, a central plot element of the film A Few Good Men -> Extrajudicial punishment .
・フロイトの「原父」
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・クリストファー・ヒチェンズの引用(誰かの権威を使って拷問していた。あるいは、「単独」でやっていた)→ジジェクは、次節で、これは誤りと指摘。
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・コード・レッドによる支配される世界
・イラク軍人の被害者(囚人)たちは、米国に「入る」イニシエーションを受けていたという、「異様な解釈」が提示させる。これには異論や激しい反論がある だろう。
・フセイン時代の刑務所における、匿名の拷問者による残忍な拷問と、メディア・スペクタルとしての拷問の違いだと、ジジェクはいう。ただし、これは、単純 な2つの現象の併置である。
・あらゆる文明の衝突は、文明の裏に隠された野蛮の衝突である(→問題は、この理屈だと、日本の中国侵略も、日本帝国の野蛮ささえ認めてしまえば、あらゆ ることが可能な文明間の衝突として正当化されてしまう。日本の修正主義者たちが、この見解を受け入れないのは、日本は「無知蒙昧な中国の解放者であった」 というナルシズムが否認されるその一点のみである)
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