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科学文献の読解
──その批判的視点――
みなさんは、大学で学ぶ学問には文系(人文社会)と理系(自然科学)があると聞かされてきたでしょう?
しかし、それは嘘っぱちです。いやより正確に言いましょう。文系理系の区分は、はっきり言って歴史的に生まれてきた単なる便宜的な区分で、厳密に学問を分類することは不可能なのです。なぜなら、この区分は近代科学の黎明期に何人かの知識人たちが、理念としての区分を提唱したことから始まりました。だが、この知識人たちだけに責任を帰することはできません。理念としての提唱を、現実の区分なのだと勘違いして、現実の学問の運営の原則として峻別する後輩達──そうです我々のことです──にも多くの責任があります。
この授業のねらいは、「世の中の科学には、文系と理系があって、それぞれ異なった世界がある」という長年にわたってきた我々の常識を破壊することにあります。
そこでとられる方法は、科学の相対化という手法です。これには認識論的・歴史的・社会学的な相対化というものがありますが、この授業では最後の社会学的あるいは人類学的な相対化を主にとります。もちろん認識論的および歴史的相対化も重要な手法で、我々の勉強には不可欠な視点でもあり、適宜参考にします。
この授業は、科学文献をどう読み理解するか、についてセミナー形式で勉強します。使われる文献は、以下に述べられるテキストのほかに、具体的な科学文献(生命、物質、情報、歴史、経済等の諸科学)を取り上げます。もちろん、いきなり専門論文をかじっても歯が立たない可能性大ですから、それらの分野の専門家が一般の教養人向けに書いた準専門論文を教材に使います。
【履修上の注意】(今はやっていません)
少人数のセミナー形式でおこないます。受講者には割り当ての発表がありますので、発表のために予習が必要です。
次の数冊の教科書のほかに論文が資料として課されます。受講登録の際に選に漏れる可能性がありますので、教科書は登録が決定してから購入してもかまいません。
[教科書]
(1)トマス・クーン『科学革命の構造』中山茂訳、みすず書房、1971年
(2)マイケル・ギボンズ『現代社会と知の創造』小林信一監訳、1997年
(3)野屋啓一『クーン』講談社、1997年
(4)ミッチェル・ワールドロップ、M.『複雑系』田中三彦・遠山峻征訳、新潮社、1996年
論文の構造を理解するためには、実際に論文を書いてみることが必要ですので、ワープロ等の筆記用具に習熟していると、受講に有利に働きます。
池田光穂「フィールド・ライフ─熱帯生態学者たちの微小社会活動に関する調査の概要─」『熊本大学文化人類学調査報告』2:97-135、1998年
Mitsubishi Ikeda, 2001
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