か ならず読んでください

女と男の人類学

Anthropology of gender and sexuality

池田光穂

参政権における性的差別に代表されるように、近代社会において女性は、男性をモデルとする「完全な人間」として取り扱われてきませんでした。し かし、女性は社会を構成する重要なメンバーとして、どの社会においても重要な認知を受けている/受けるべきだという我々の「常識」は、このような女性= 劣った人間という人類史における「もうひとつの常識」と、とりたてて大きな齟齬を起こすことなく共存してきたのです。社会が構成する現実(=男女の平等 性)と、女性は劣っているという観念と実践の体系(=男女差別イデオロギー)が大きな齟齬を起こすことなく共存してきたのです! 

このような男女差別イデオロギーのしぶとさを解明するためには、男性と女性を区分する最も大きな生物的差異であると考えられているセクシュアリティー(sexuality)についての理論的考察が不可欠になります。セクシュアリ ティーについての常識を解体するためには、〈同性愛〉〈オカマ〉〈変態〉〈異常性欲〉と蔑まれてきた一連の別のセクシュアリティーズについての考察である 「クイア理論」(→用語解説詳細) を参照します。この講義※を通して「おちんちん」と「おっぱい」という生物的差異に裏付けられたセクシュアリティの通念が、いかに社会や歴史における文化 的修飾を受けて変容するものであるかを明らかにします。

※この文書は2001年頃に熊本の女性会館からの連続講演のひとつの発表(「現代女性学入門」男女共働政経塾:熊本大学地域連携フォーラム運営 )という依頼を受けて作った講演会用のレジュメ(要旨)の文章がもとになっています。

■以下は、追加のテーマ群です

第一の審問

・第一世界フェミニズムと、第三世界フェミニズムの違い——セクシズムの暴力と恐怖に抗して

第一世界(西洋)のフェミニズムのジレンマ:西洋からの発言は、しばしば(本人たちが自覚的であればあるほど)人種主義や植民地主義の誹りを恐れて、非西洋の女性と文化に対して否定的見方や道徳的批判を「回避」するために、文化相対主義の態度をとりがち。この態度表明が、第三世界(非西洋)において、女性に対して「否定的見方」や「基本的人権の侵害」などのケースと闘っている(非西洋)フェミニストに対して、連帯と連携の可能性あるいは、その「情熱」を逓減させてしまう。

第三世界(非西洋)のフェミニズムのジレンマ:自分たちが 直面している家父長制への批判をすれば、第1世界の帝国主義的なフェミニストとの同盟関係を過度に強調されて、文化内の同質性や「伝統の美風」に抵抗する 「文化的裏切り者」と呼ばれてしまう危険性を有する。かといって、自文化に対して文化相対主義の立場をとれば、さまざまな抑圧や不道徳からの解放をもとめ る同胞に対する裏切りや傍観主義をとってしまうのことになる。

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