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先住民とは誰か?について真剣に考えてみよう!

Who are Indigenous  people?

独立記念日にグアテマラ国旗をもち行進する

池田光穂

先住民(複数あるいは集合名詞)とは誰のことでしょ うか?

世界中には、先住民と呼ばれる人たちがたくさんいま す。先住民の数は正確に統計をとられているわけではありませんが、1968年に創設されたコペンハーゲン(デンマーク)に本部をおくNPOの「先住民問題 のための国際作業グループ(the International Work Group for Indigenous Affairs, IWGIA)」によると、全世界に3億7千万人の人がいると言われています。

先住民(idigenous people)という名称の他に、「インディアン」「インディヘナ」「インディオ」「トライブ」「トライバル・ピープル」「アボリジナル(アボリジ ニー)」や「現地人(ネイティブ)」など、先 住民を表現する語彙が数多くあります。これらの語彙は、時に非先住民の人たちからの差別語(蔑称)であったりするという否定的な意味をもつこともあります が、当事者やまた支援者たちから誇り高い名称だと言われることもあります。言葉ですので、どの言葉を使えば差別なりうるのか、またそうではないのかは、そ れらの用語がどのような脈絡=文脈のなかで誰が、誰に対して使われるのかによって、決まります。また、差別がおこった後に、その言葉の使われ方が検証され る場合にも、真意はそうではないと弁解されることもありますので、明らかな差別語や、その言葉が吐かれる時に他には考えれないような——十中八九そう思わ れる——使い方には留意する必要があります。

さて、以下の叙述は、IWGIAによるウェブページ (文献にURLを記載)からの情報も交えて説明しています。

では、先住民はどのように定義されるのでしょうか?  すなわち先住民はどのような人びとのことをさすのでしょうか?

結論から言うと、世界統一した定義も(上記のような 差別語のニュアンスのない)客観的で明確な定義もないという現状があります。1997年7月に「先住民の権利に関する国連宣言(The United Nations Declaration on the Rights of Indigenous Peoples, July, 1997)」が採択された時にも、先住民の定義がなされなかったこともあります。なぜなら、すべて文脈に単一の定義をおこ なうことは、ある集団を先住民と認める時には厳しすぎ(under-inclusive)たり、逆に先住民と認めるには緩すぎる(over- inclusive)ことになってしまうからです。にも関わらず、それを定義しようとする努力がなされてきたことも事実です。

国連の機関である国際労働機関 (International Labour Organization, ILO)条約169号(1989)——しばしば言及されますので覚えておきましょう!——では、先住民(tribal peoples)と認定される理由 を次のような根拠に求めています。最下段にある【資料編】参照してください。

彼ら(=先住民, tribal peoples) は、植民地化される以前からその 地域に住んでいた人のたちの末裔であるがゆえに……あるいは、

彼ら(=先住民, tribal peoples) は、植民地化と新しい国家が確立 されてから以降からもずっと、独自の社会的・経済的・文化的・政治的諸制度を維持しつづけているがゆえに……

国連の「少数者への差別を防止する国連の小委員会 (the UN Sub-Commission on the Prevention of Discrimination of Minorities)」の(その委員長であった)マルティネス・コボ[委員会]報告(Martinez Cobo's Report, 1986)では、先住民のコミュニティ・先住の民・先住のネーションを次のように叙述しています。

"Indigenous communities, peoples and nations are those which, having a historical continuity with pre-invasion and pre-colonial societies that developed on their territories, consider themselves distinct from other sectors of the societies now prevailing in those territories, or parts of them."

先住のコミュニティーズ、すなわち自分たちの領域(テリト リー)において生じた侵略される以前から/植民される以前からの社会を発展させてきた歴史的連続性をもっているとされる〈人びとやネーション〉は、それらのテリトリーあるいはその一部において、現在では優勢な社会の他 の部分(=他のコミュニティ)と、自分たちのことを区分して独自なものであると考えている

"They form at present non-dominant sectors of society and are determined to preserve, develop and transmit to future generations their ancestral territories, and their ethnic identity, as the basis of their continued existence as peoples, in accordance with their own cultural patterns, social institutions and legal systems."

先住のコミュニティーズ(=They)は、現在では社会のなかの支配的とは言えない部分を構成していて彼らの先祖の領域(テリトリー)と自分たちの民族的アイデンティティ(= ethnic identity)を未来の世代に対して、守り・発展・継承していく決心をしている。すなわち(彼らのテリトリーとアイデン ティティをもつ)民として、自らの文化的パターンズ・社会的制度・(そして)法体系に従って、存在し続ける基礎となるからである。

以上のことから先住民と呼ばれる/あるいは自ら先住 民と自称する人たちには、以下のような特徴がみられます——ただし、これらの要素の一部ないし殆どが欠落していても「先住民」として認定されないというわ けではありません。その理由は、1)先住民は自分の出自社会と文化(言語)にアイデンティティをもつ集団であり、2)先住民としての自覚をもつ、ないしは 「復権する」権利をもつと自覚している集団——すなわち社会的差別によってかつて先住民であることを自称することを抑圧され、その名称やアイデンティティ 形成が(他者からみて)形骸化しているように見えても、それを当事者自身が復権するアイデンティティや「何らかの根拠」があればその要件をもつ集団であ り、3)先住という「歴史的事実」により、侵略や植民以前の状態の法的権原を回復できる資格を「帰属する国家」に請求する権利をもった集団であれば、よい からです。

以上の根拠から、先住民には少なくとも、以下の4つ の権利と権原があると言うことができます。(1)集合的権利(Collective rights)、(2)自己決定権(Self-determination)、(3)自己認識/自己アイデンティティ権(Self- identification)、そして(4)土地権と天然資源に関する固有の権利(Land rights and natural resources)。

(1)集合的権利(Collective rights)

(2)自己決定権(Self- determination)

(3)自己認識/自己アイデンティティ権(Self - identification)

(4)土地権と天然資源に関する固有の権利 (Land rights and natural resources)

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脚注

links

リンク

文献

(c)Mitzub'ixi Quq Chi'j. Copy&wright[not rights] 2014-2015

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【資料編】

国際労働機関「1989 年の原住民及び種族民条約(第169号)」(The ILO Convention no. 169 )[仮訳]

Article 1
    1. This Convention applies to:
        (a) tribal peoples in independent countries whose social, cultural and economic conditions distinguish them from other sections of the national community, and whose status is regulated wholly or partially by their own customs or traditions or by special laws or regulations;
        (b) peoples in independent countries who are regarded as indigenous on account of their descent from the populations which inhabited the country, or a geographical region to which the country belongs, at the time of conquest or colonisation or the establishment of present state boundaries and who, irrespective of their legal status, retain some or all of their own social, economic, cultural and political institutions.
    2. Self-identification as indigenous or tribal shall be regarded as a fundamental criterion for determining the groups to which the provisions of this Convention apply.
    3. The use of the term peoples in this Convention shall not be construed as having any implications as regards the rights which may attach to the term under international law.

1 この条約は、次の者について適用する。
 (a) 独立国における種族民(tribal peoples )で、その社会的、文化的及び経済的状態によりその国の共同社会の他の部類の者と区別さ れ、かつ、その地位が、自己の慣習若しくは伝統により又は特別の法令によって全部又は一部規制されているもの
 (b) 独立国における人民で、征服、植民又は現在の国境の確 立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会 的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの
2 原住又は種族であるという自己認識(Self-identification as indigenous or tribal)は、この条約を適用する集団を決定する基本的な基準とみなされる。
3 この条約における「人民」という語の使用は、国際法の下においてその語に付随する場合のある権利についていずれかの意味を有すると解釈してはならな い。

Erica-Irene Daes 博士の定義:出典、WGIA, Who are the indigenous peoples?

The identification outlined by the Chairperson of the United Nations' Working Group on Indigenous Populations, Mme. Erica-Irene Daes designates certain peoples as indigenous,

    because they are descendants of groups which were in the territory of the country at the time when other groups of different cultures or ethnic origins arrived there;
    because of their isolation from other segments of the country's population they have preserved almost intact the customs and traditions of their ancestors which are similar to those characterised as indigenous; and
    because they are, even if only formally, placed under a State structure which incorporates national, social and cultural characteristics alien to theirs.

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