帝国主義と全体主義下における人種主義に抗して
Against Racism and
Imperialism cum Totalitarianism
解説:池田光穂
「セーフティネット論・2014」:Social Safety and Security Network and Risk-Phobic Societies
セーフティネット (social safety net)あるいは社会的セーフティネットと は、サーカスの空中ブランコの下に張っている文字通りの安全ネット(safty net)に由来する、リスクに対応する社会的安全を保証する政策および、実際におこったハザードに対する保護対応策などの総称のことである。
◎セーフティネットという言葉とその理解
セーフティネット(social safety net)あるいは社会的セーフティネットとは、サーカスの空中ブランコの下に張っている文字通りの安全ネット(safty net)に由来する、リスクに対応する社会的安全を保証する政策および、実際におこったハザードに対する保護対応策などの総称のことである。社会的セーフ ティネットの発想は20世紀の大戦間期における英国の社会福祉政策とそれに呼応する人間の困難(=貧困、病気、失業、教育および居住確保からの疎外)から 生まれたと言われている。それから1世紀後の現代社会において、人々の世界観、福祉観、国家観の変貌もまた、我々のセーフティネット観への影響を与えてい る。リスクの予測と判断に関する諸学問の成果により、今日のセーフティネット概念に、最も大きな影響を及ぼしているのが「リスクという現象」である。今日 の社会、とりわけ社会の統治に関する概念は、リスクを制御する統治諸技術によって構成された社会(Risikogesellshaft, ,Ulrich Beck, 1986)としばしば指摘される。
◎リスクとハザードの峻別の必要性
この授業におけるリスクについての
考え方を明らかにしておこう。
この授業では、通常の用語法としてハザードと明確に区分されていないリスクの概念を便宜的に以下のように区分する。リス
ク(危険あるいは危険性)とは、ある事象に関する未来の不確実性のうち、現時点で想定している否定的な意味をもつものを呼ぶ。そして実際に起こりえる/起
こってしまった否定的な意味の事象はハザード(災厄あるいは危険性)と呼んで区別する。ただし例えば「この事態を放置すると以下のようなハザードが生じる
可能性がある」という未来の蓋然性の高いものもそれに含めておく。それに対してリスクは、通例の災厄の概念以上に(先で定義した)ハザードがおきる可能
性、あるいはハザードとなりうる可能態としての潜在的状態というふうに理解する。つまりリスク概念を、ハザードの確率的計算によって管理される統計量ある
いは、そのように人々がハザードを眺めるている状態のことと定義する。
◎今年の授業のねらい:帝国主義と全体主義下における人種主義に抗して
今年の授業テーマは「帝国主義と全体主義下における人種主義に抗して」(Against Racism and Imperialism cum Totalitarianism)と称して、ハンナ・アーレントの『全体主義の起源』から、第2部の帝国主義と第3部の全体主義を読みます。セーフティ ネット論において、この歴史的教材を利用する理由は次の3点です。
帝国主義(アーレント「全体主義の起源」というか「我ら自身の重荷」の帝国主義の部分)
全体主義(アーレント「全体主義の起源」というか「我ら自身の重荷」の全体主義の部分)
スケジュール:資料にリンクします。すぺてパスワードがかかっています。パスワードは授業でお知らせします。サイズは1.4MB〜4.1MBあ ります。御注意ください。
・授業の目的
授業前の文献の読解・それにもとづく授業での討論・ならびに授業の復習を通した授業個別内容の把握という作業を通して、以下の3つの目的 を、授業の修了にまでに理解・把握することができる、というのが受講者に求められる履修の目的である。
・講義内容
冒頭の、セーフティネット論に関する本講義の趣旨をふまえて、この授業は2コマ連続(約3〜4時間、休憩を含む)で以下の7つのテーマから 進行する;
・用語の定義
ハザード
ハザードは実際におこってしまった災厄のことと理解する。ただし例えば「この事態を放置すると以下のようなハザードが生じる可能性があ る」という未来の蓋然性の高いものもそれに含めておく。
リスク
リスクは、通例の災厄の概念以上に(先で定義した)ハザード(=実際におこってしまった災厄)がおきる可能性、あるいはハザードとなり うる可能態としての潜在的状態というふうに理解する。
・教科書
毎回、課題書をあげます。市販のものは事前購入したり、図書館でお読みください。また文献のうち入手困難なものは、必要な箇所の情報をイ ンターネットでダウンロード(パスワード付)して事前に閲覧することを求めます。
・参考文献(下記に記載)
・成績評価
大学院の授業(学部生も受講可)ですので、学会発表などの特別の事情がないかぎり毎回の出席を求めます。原則として出席回数(時間)8割 以上の者を最終試験(レポート)への有資格者として認めます(補助レポートなどの例外措置もありますので諦めずに教員に照会してください)。授業の進捗状 況に応じて中間レポートの作成を求めることがあるかもしれません。
・関連サイト
・参考文献
その都度、必要な参考書をあげます。市販のものは事前購入したり、図書館でお読みください。また文献のうち入手困難なものは、必要な箇所 の情報をインターネットでダウンロード(パスワード付)して事前・事後に閲覧できるようにします。(下記は順不同です)
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