かならずよんで ね!

グローバル・スタディーズ・批判

Critique against Japanese-Style of Global Studies

池田光穂

「仮に沖縄人に扇子の代わりに日本刀を与え朱子学の代わりに陽明学を教えたとしたらどうであったろう。幾多の大塩中斎が輩出して琉球政府の役人はしばしば腰を抜かしたにちがいない」——伊波普猷(1909)

科学研究費補助金における「特設分野研究」として の、グローバル・スタディーズが時限つき(平成28=2016年度〜平成30=2017年度)で公募課題としてある。

まず、この解説文言(「内容」)を批判的に検討する。

■「20 世紀から21 世紀への転換期を契機として本格的に進行しはじめたグローバル化は、地 球温暖化、各種環境問題、感染症、食料及び人口問題、資源紛争、人道的介入、文明の衝突、 移民や難民の出現と受け入れをめぐる対立、インターネット上の所有権の在りかや情報量の 爆発、国際的にも国内的にも広がる貧富の格差など、世界総体を単位として分析しなければ 解決できない問題、すなわち「グローバル・イシュー」を生みだしつつある。

■「グローバル・イシューの多くは、受益者と負担者 が時間的あるいは空間的に一致しないた め、原因と帰結を論理的に結びつけがたいという特徴を持つ。すなわち地球を単位とする問 題ゆえに、存在を認識しにくい、といった特徴である。このようなイシューを対象とするた めには、部分的な最適化が全体を最適化するとは限らない以上、ともすれば局所的(ローカ ル)な単位やナショナルな思考的枠組みから分析を始めがちな既存のアプローチだけでは十 分でなく、新しいアプローチすなわち「グローバル・アプローチ」を提案し適用することと なる。その際には、いかなる空間的スケールを採用するべきか、法制・文化・言語・ライフ スタイルといった制度が社会・経済・政治・文化・生活の諸次元で織りなすボーダー(ギャ ップ)はいかなる機能を果たすか、これらボーダー(ギャップ)を越境する営為であるコミ ュニケーションを促す手段としては何が有効か、という点に着目することが重要となる。

■「さらに、グローバル化は、アプリオリな正義でも なく、必然的なプロセスとも限らないこ とが留意する必要がある。すなわち、認識や解釈の次元において、グローバル化がいかなる 功罪をもたらすか、その正当性はいかに評価されるべきか、オルタナティブなグローバル化 は構想しうるかといった多様な問題に取組むことも本特設分野の対象となる。

■本特設分野は、単なるグローバル化の現象ではな く、グローバル化のプロセス、グローバ ル・イシューの解決法など、グローバルに研究しなければ解決できない問題の今後について の論理的予測、グローバル・アプローチの探求、グローバル化の実証的及び規範的評価、さ らには既存諸科学が標榜してきた普遍性やその空間認識の根拠の再検討などを対象とする 分野である」。

つぎに、市井にあるグローバルスタディーズ研究の枠組みについて批判的に解説してみよう。

同志社大学・大学院には「グローバル・スタディーズ研究科」というものがある。この研究科の紹介を読むと、世界には「グローバル・イシュー(地球規模の課題)」というものがあり、この研究はそれらの課題に対して「アメリカ研究/現代アジア研究/グローバル社会研究」という3つの柱から取り組もうとするものである。

「本研究科が生まれた背景には、「グローバル・イシュー(地球規模の課題)」と呼ばれる課題の登場があります。たとえば移民や難民あるいは環境問題などですが、人やモノが国境を越えて複雑に絡み合う今日の社会が抱えるいかなる課題も、特定の地域に限定されるものではありません。またこうした課題は、地理的広がりを意味するだけではありません。今日のグローバル・イシューは、社会、経済、文化、思想など、従来別々に議論されてきた複数の文脈が重なり合って登場しています。まさに、これまでの人文学・社会科学の枠組みを大きく揺るがす形で課題が噴出しているのが、今日の世界なのです。 /こうしたグローバル・イシューに対して私達は、個別地域の固有性に密着して考えることと、地域横断的に志向することの両方を重視しています。いわば、普遍性や一般化というよりも、つながりを求めて個別に密着すること、これが本研究科の基本的な構えです。そこでは、個々の対象や場所への熱い思いと、つながりを希求してそこから飛び立つ勇気が 求められます。また入学に際してこれまでのディシプリンは問いませんが、自らが何に関心を持ち、大学院でどのような課題に取り組みたいのかを明確にする必 要があります。博士前期課程、博士後期課程とも、学生は以下の3クラスターのいずれかに所属します」/は改行(確認日:2018年8月13日)。出典:https://global-studies.doshisha.ac.jp/overview/outline.html

要点を整理しよう

■先住民の視点からグローバル・スタディーズを再考することは可能か?

先住民の視点からグローバル・スタディーズを再考する

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【日本学術振興会の見解】

「20 世紀から21 世紀への転換期を契機として本格的に進行しはじめたグローバル化は、地 球温暖化、各種環境問題、感染症、食料及び人口問題、資源紛争、人道的介入、文明の衝突、 移民や難民の出現と受け入れをめぐる対立、インターネット上の所有権の在りかや情報量の 爆発、国際的にも国内的にも広がる貧富の格差など、世界総体を単位として分析しなければ 解決できない問題、すなわち「グローバル・イシュー」を生みだしつつある。


【同左に関するコメンタリー】

・グローバル化の定義(→国連・持続可能な開発のための2030アジェンダ
・例示されるグローバル・イシュー(global issues Overvies, by UN)※国連のそれらとの相違!
・持続的開発目標(SDGs)→「持続可能な開発目標とグローバル・イシューズ
国連のグローバル・イシュー(global issues Overvies, by UN)
  • 1)アフリカ――Africa
  • 2)エージング(高齢化)――Aging
  • 3)エイズ(HIV感染症)――AIDS
  • 4)原子力エネルギー――Atomic Energy
  • 5)子供――Children
  • 6)気候変動――Climate Change
  • 7)脱植民地化――Decolonization
  • 8)民主主義――Democracy
  • 9)食糧――Food
  • 10)健康――Health
  • 11)人権――Human Rights
  • 12)国際法と正義――International Law and Justice
  • 13)大洋と海洋法――Oceans and the Law of the Sea
  • 14)平和と安全――Peace and Security
  • 15)人口――Population
  • 16)難民――Refugees
  • 17)水――Water
  • 18)女性――Women
【日本学術振興会の見解】

「グローバル・イシューの多く は、受益者と負担者が時間的あるいは空間的に一致しないた め、原因と帰結を論理的に結びつけがたいという特徴を持つ。すなわち地球を単位とする問 題ゆえに、存在を認識しにくい、といった特徴である。このようなイシューを対象とするた めには、部分的な最適化が全体を最適化するとは限らない以上、ともすれば局所的(ローカ ル)な単位やナショナルな思考的枠組みから分析を始めがちな既存のアプローチだけでは十 分でなく、新しいアプローチすなわち「グローバル・アプローチ」を提案し適用することと なる。その際には、いかなる空間的スケールを採用するべきか、法制・文化・言語・ライフ スタイルといった制度が社会・経済・政治・文化・生活の諸次元で織りなすボーダー(ギャ ップ)はいかなる機能を果たすか、これらボーダー(ギャップ)を越境する営為であるコミ ュニケーションを促す手段としては何が有効か、という点に着目することが重要となる。
【同左に関するコメンタリー】

・グローバル・イシュー
global issues Overvies, by UN)の特徴=「受益者と負担者が時間的あるいは空間的に一致しないた め、原因と帰結を論理的に結びつけがたいという特徴」={地球を単位とする問 題ゆえに、存在を認識しにくい、といった特徴
・グローバル・アプローチ(global approach)の提唱:「
部分的な最適化が全体を最適化するとは限らない以上、とも すれば局所的(ローカ ル)な単位やナショナルな思考的枠組みから分析を始めがちな既存のアプローチだけでは十 分でなく、新しいアプローチ」が、求められる。
・グローバルアプローチの3つの「判別式」=着目点
1)
いかなる空間的スケールを採用するべきか
2)
法制・文化・言語・ライフ スタイルといった制度が社会・経済・政治・文化・生活の諸次元で織りなすボーダー(ギャ ップ)はいかなる機能を果たすか
3)
これらボーダー(ギャップ)を越境する営為であるコミ ュニケーションを促す手段としては何が有効か
・グローバル化に関する価値判 断の問題

「さらに、グローバル化は、ア プリオリな正義でもなく、必然的なプロセスとも限らないこ とが留意する必要がある。すなわち、認識や解釈の次元において、グローバル化がいかなる 功罪をもたらすか、その正当性はいかに評価されるべきか、オルタナティブなグローバル化 は構想しうるかといった多様な問題に取組むことも本特設分野の対象となる。
・グローバル化に関する価値判 断の問題(判定)

1)
アプリオリな正義ではない可能性→功罪の指摘が求められる。その「正当化」への評価の考察
2)
必然的なプロセスとも限らない→結果的に等至点をとっても経路複数性を考慮する
3)
オルタナティブなグローバル化 は構想しうるか?
・科研の領域を設定する意味

本特設分野は、単なるグローバ ル化の現象ではなく、グローバル化のプロセス、グローバ ル・イシューの解決法など、グローバルに研究しなければ解決できない問題の今後について の論理的予測、グローバル・アプローチの探求、グローバル化の実証的及び規範的評価、さ らには既存諸科学が標榜してきた普遍性やその空間認識の根拠の再検討などを対象とする 分野である」。
・期待された設定課題にどのように応えるのか?

1)「
単 なるグローバル化の現象」とは、どのような風な説明原理なのか?——それはやらなくていいと指摘している。
2)
グローバル化のプロセス→歴史研究、シミュレーション、経路複数性=等至点アプ ローチ?
3)
グローバ ル・イシューの解決法の模索→「グローバルに研究しなければ解決できない問題の今後について の論理的予測、グローバル・アプローチの探求、グローバル化の実証的及び規範的評価、さ らには既存諸科学が標榜してきた普遍性やその空間認識の根拠の再検討などパラフレイズする と、問題の析出、原因結果の因果論分析、プロセス分析、解決のための論点探究(析出)、解決方法論の模索、実践研究、解決のための 具体的な提案書の作成。
1)問題の析出、
2)原因結果の因果論分析、
3)プロセス分析、
4)解決のための論点探究(析出)、
5)解決方法論の模索、
6)実践研究、
7)解決のための具体的な提案書の作成

国連のグローバル・イシュー(global issues Overvies, by UN

■グローバル・スタディーズ(科研採択課題の一覧)https://goo.gl/eoP1H9

■本サイトで「グローバル」と名付けたものを列挙して、自己批判の素材にする

審問

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