かならず読んでください

先住民と人類学のポ ストコロニアルな関係を模索する総合的研究
(研究アイディア)

Interdisciplinary Research on Postcolonial Action Accounts between the Ainu Indigenous people and General Anthropology in Japan

池田光穂

項目
平成29(2017)年度申請分
平成30(2018)年度申請分——未実 施
研究種目、審査、分野、分科、細目、細目 表キーワード
研究種目:基盤研究(B) 審査:一般
分野:人文学、分科:文化人類学、細目:文化人類学・民俗学、細目表キーワード:マイノリティ
先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究」(18KT0005)として採択されました!
代表者氏名・所属機関・所属部局(職)
池田光穂・大阪大学・COデザインセン ター(教授)
上は、科研DBです。こちらのサイトでのプロジェクトは「先住民の視点からグ ローバル・スタディーズを再考する」でリンクしてください。
研究課題
先住民と人類学のポストコロニアルな関係 を模索する総合的研究

研究経費


研究組織(研究代表者・研究分担者・連携 研究者)


研究目的
本研究の目的は、人類学と変化しつつある 先住民との新しい関係のパラダイムを模索する試みである。この人類学は言語・考古・自然・文化の4分野の総称である。グローバル規模の「先住民の回帰」 は、研究対象としての先住民という枠組みに反省を迫る。言語学は言語復興運動に寄与し、形質人類学は司法人類学的鑑定を補助する活動が始まっている。博物館 学では、器物・資料の返還や共同展示が実施されている。だが、それらの試みは先住民との関係を反省のもとで新しい学問としての再生には未だ遠い。コロニア ルからポストコロニアルへの移行期といえる現在、研究者と協働する先住民の尊厳について市民とともに考え、社会と密接に結び付いた学問としての人類学の姿 を、市民と先住民に対して協働の可能性について新たに提言する。

研究目的(具体)
■脱植民地状況における先住民

 コロニアリズムを背景に成立してきた学問は、21世紀を迎える現在大きく変容している。たとえば、コロニアリズムの正当化とともに成立した国際法は、い までは脱植民地化の再創造である先住民運動をエンパワーする(e.g. James Araya 1996)。征服、布教活動とともに歩んだ記述言語学は、自らの蓄積を還元するかのように、先住民の言語復興に寄与するようになっている(Summer Institute of Linguisticsの活動、Judy MaxwellやNora Englandらの仕事)。身体計測などをおこなったスティグマを帯びた形質人類学も、内戦の暴力を立証する証人である司法人類学(forensic anthropology)となり、先住民に貢献している(グアテマラではFredrick Snowの仕事)。日本の状況においては、最近、考古学では「先住民考古学」が脚光を浴びている(国際考古学会:京都2016, Mark Hudson)。そのような状況に比べれば、確かに一部の例外(土地権原をめぐる先住民たちの訴訟に証言者として資料を提供)はあるものの、それは個人と しての積極的関与であり、文化人類学として理論化された介入とはいいがたい。(例:佐々木利和(2010)と大塚和義(2011)の論争)。文化人類学 は、先住民の現在には不要な学問なのであろうか?そうでないとすれば、どのような寄与が可能なのであろうか?先住民と人類学のポストコロニアルな関係が真 に求められる。

■人類学の4分類復権と先住民

 住民と人類学との新たな関係を目指すとき、人類学は広く4分野(言語、考古学、自然=形質→生物、文化)として捉えるべきである。なぜなら、現状ではそれぞれ の分野が同一の歴史的制約の下、研究を進めざるをえないからである。たとえば、4分野すべてが、研究対象からの研究許可と了解、研究対象への知識の還元要 請(=「私たちにはどのような利益があるのですか?」)、研究そのものへの批判(=「人類学には植民地主義時代からの反省がないのですか?」「なぜ我々の 発話をさえぎって私たちに発言させようとしないのですか?」)に直面しながら、学問を実践せざるをえない状況にある。これらの制約は、現在でも脱植民地化 の影響が継続していることの証である。

■移行期における先住民研究の位相

 植民地状況Leiris 1950)における先住民の位置づけ(Phase I)から独立期の脱植民地初期の開発人類学的状況(Phase II)における開発の「主体」への変貌、さらには、21世紀の脱植民地化の再創造される先住民(Phase III)の時期に直面している(次ページの「移行期における先住研究の位相」を参照)。
 本研究は、21世紀における脱植民地化の再創造として先住民を捉えたとき、文化人類学を含めた広義の人類学(4分野)とその周辺(e.g. 博物館学)を相互連携し、ポストコロニアルという移行期にある現在、人類学という学問が先住民と、どのような関係を結ぶことができるのか、その一つのモデ ルを提示したい。とくに、日本において文化人類学を実践するとき、日本の先住民の存在を無視できないわけであり、アイヌ(そして、琉球の民)と文化人類学 との新しい関係を模索したい。この提言は専門家とそれを支える市民社会の双方に対しておこなうものである。

■国内外の研究動向を踏まえた実践的な社会還元への模索

 1980年代中盤から世界の先住民族間での国際連携は、21世紀になり歴史的変革を促した。2007年、国連における「先住民族の権利に関する宣言」 が、その好例である(窪田・野林 2009;太田 2012)。一方において、先住民族の活動家たちは近代国家の枠を超え連携する中、他方において、先住民運動に関心をもつ研究者は、ローカルな状況への配 慮のためか、国際的ネットワークを築いているとはいいがたい。たとえば、(世界の先住民運動を牽引してきた)ラテンアメリカの研究者は、オセアニア、アジ ア、北欧地域などの先住民族運動研究者との連携を築けていない。それどころかグローバルなレベルで展開する先住民族運動では、文化人類学者・民俗学者と先 住民族活動家が衝突する状況すらもあり、その痛手を被った研究者は象牙の塔から専門的な学術的な場において抽象的で高度な「批判」をおこなうという悲劇す らおこっている。総括すれば、先住民族運動という現象の急激な変化に、研究者が対応できていないといえる(e.g. 太田2010)。先住民族どうしの国際連携についてはどうであろうか?国際先住民の10年(1994-2004)に国際交流NGO/NPOがグアテマラの 平和運動家を招致しアイヌ民族との交流をおこなっているが市民を巻き込む持続的な活動には現在のところ結実していない。そのなかで人類学(4分野)の復権 は急務であり、それぞれの分野が、先住民とどのように取り組もうとしているかの情報とその公開による市民からのフィードバックに応答することは最重要課題 となっている。

■先住民の問いかけに真摯に答えること——本研究の特色と意義

 20世紀の最後の10年間における文化人類学、カルチュラル・スタディーズの動向は、ディアスポラという概念が流行したことでも明らかだが、移民をモデ ルとして展開した。移動、混淆、越境がキーワードであった。反対に、先住民は定住、本質、伝統などの諸概念と結びついて構想されてきた。移民は近代を、先 住民はいまだに近代的存在ではないかのようである。しかし、このような対比は誤りである。そればかりか、21世紀において国際法の主体として先住民が歴史 へと回帰してきた事実は、いまだにわたしたちに対し先住民への責任を問う。先住民は、すべての人類学者に「ポストコロニアルになれるのか?」と問うてき た。本研究はそれに対する応答である。



研究計画・方法
【概要】

[1]連携研究者と研究協力者からなる共同研究会を組織する。[2]連携研究者は(i)テーマ研究会の主催者となりテーマ別の共同研究会を運営すると同時 に、(ii)国内外の質的調査をおこないそれらの情報をテーマ研究会で発表し、理論ならびに情報を共有する。[3]テーマ研究会で共有される問題認識は、 コロニアル/ポストコロニアルという歴史状況において、人類学の下位研究領域(4分類)と隣接社会科学における先住民の関係について考察する。[4]国立博物館開館の平成32年に専門家向けの学会ならびに市民向けシンポジウムにおいて、先住民と人類学という学問領域の新たな関係性の構築のための提言をおこなう。(→作図「研究のトピックスの流れ」を参照)

■平成29年度 ※助成がないために、各人が準備中である。

〈人類学と先住民の新たな関係のパラダイム構築〉研究プロジェクト・ロードマップ(次ページ参照)に基づいて、初年度は(i)テーマ研究会01(文化人類 学と先住民、自然人類学と先住民、博物館学と先住民)と、海外の先住民の状況に関する地域研究会01をそれぞれ1回ずつ都合2回開催する。また、文献によ る事前調査を踏まえた上で、(ii)人類学と先住民が取り結んだ様々な社会的関係についての現地フィールドワーク調査を、国内(北海道、東京、沖縄)と海 外(中米とロシア)を中心に行う。各連携研究者は、それぞれの役割分担にしたがって、調査と研究をおこない、これまでの事前調査や文献資料にもとづき、国 内の専門家による学会・研究会等で、この研究の概要や理論的枠組みについて発表し、研究班以外の専門家からのコメントや助言を聴取する。2017年は国連 において「開発のための持続可能な観光の国際年」が予定されており、先住民が関わるイベントに参加する。日本ではアイヌの民族観光における文化表象の様々 な提示のされ方と、形質人類学における身体計測や「人種起源論」研究などが複雑に交錯して展開した歴史があり、これに関する国内外の社会的動きについて も、注目する予定である。



 まとめると、平成29年度の研究は、国内でのテーマ研究会と、海外状況調査である。後者では、文化人類学の民族誌手法と専門家へのインタビューにより、 調査地の先住民と研究者(研究分野)との関わりについての状況を調査し、その後のテーマ研究会に各メンバーは還元するものと予定している。
 研究班は大きな組織のため研究代表者(池田)に加えて、研究分担者から副代表(格)を置き(太田氏を予定)、組織内のコミュニケーションと研究の遂行を円滑に促進させる。
 研究班組織は、利益相反に留意しつつ、人類学以外の専門家(ピア)による助言者を選定し、研究協力謝金を利用して年に1、2度の点検をうけることとし、研究計画の進捗状況の検証やもし遅延等が起こった際の改善策に関わる助言を受けるものとする。

◎平成29年度を含む全研究期間(2017-2020年)のロードマップ



■平成30年度以降の計画(「研究のトピックスの流れ」(下図)も参照)

(平成30年度)——2年目
 研究の2年目では(i)テーマ研究会02(政治学と先住民、考古学と先住民、言語学と先住民)と、海外の先住民の状況に関する地域研究会02をそれぞれ 1回ずつ都合2回開催する。また、文献による事前調査を踏まえた上で、(ii)人類学と先住民が取り結んだ様々な社会的関係についての現地フィールドワー ク調査を、国内(北海道、東京、沖縄)と海外(北米/南米とヨーロッパ)を中心に行う。各連携研究者は、それぞれの役割分担にしたがって、現地調査と研究 をおこない、これまでの事前調査や文献資料にもとづき、国内の専門家による学会・研究会等で、この研究の概要や理論的枠組みについて発表し、研究班以外の 専門家からのコメントや助言を聴取する。初年および2年目に得られた資料やそれにもとづく仮説的な提言については、適宜とりまとめ、個別発表論文の形で公 表し、専門家(ピア助言者)によるさまざまなチェックをうけることで、研究と調査の質の向上を図る。

■(平成31年度)——3年目

 研究の3年目では、研究資料の取りまとめの後半にあたり、テーマ研究会03と04「人類学と先住民の新たな関係性の構築」をメインテーマとしてサブテー マ「理論的展望」と「実践的応答」を2回開催する。(ii)現地フィールドワーク調査は海外(中米と台湾)にとどめて、国内では市民向けの講演会を開催す る。平成31年度では随時報告される成果をもとにさまざまな試論を国内学会で報告する予定である。

■(平成32年度)——最終年度

  研究の4年目の最終年度では、研究資料の取りまとめの後半にあたり、テーマ研究会05「人類学と先住民の新たな関係性の構築:提言とりまとめ会議」を 1回開催する。(ii)この年(2020年)は、国立アイヌ文化博物館(仮称)が開館予定である。その開館にあわせて、独自に(あるいは協賛などの支援も 模索しつつ)北海道において北海道アイヌ協会などとの連携した市民向けの公開シンポジウムをおこない、この研究プロジェクトの過去3年間の成果発表と公開 とする。また(iii)成果の外国語での発表を予定し、海外学会(例えばIUAES, AAA)などで、世界の先住民と人類学の「新たなる関係性」を模索している世界の人類学者にむけて積極的に提言を公表していく。



研究を実施するにあたっての準備状況および研究成果を社会・国民に発信する方法
(1) 本研究を実施するために使用する研究施設は、研究代表者の本務場所である大阪大学COデザイン・センターがある。北海道側では北海道大学アイヌ・先住民研 究センターが利用可能である。研究分担者も九州大学大学院比較社会文化研究院を研究連絡のための場所として提供することについて同意している。研究代表者 と研究分担者は、これまでの科学研究費補助金の取得歴とそれに関する民族誌的資料がある。研究班のメンバーは現地社会にも数年から10数年の長期的な友好 関係をもち、文化実践家とも知悉している。

(2)研究分担者の連絡調整の状況においては、これまでの科学研究費補助金のメンバーであるものが多い。また日本文化人類学会および日本ラテンアメリカ学 会でのシンポジウムや分科会、国立民族学博物館の共同研究会等で共に研究活動を続けてきた経験があり、研究者間の学術的かつ人間的関係は極めて良好であ り、すべての関係者がお互いに信頼して研究できる状態にある。

(3)本研究の研究成果を社会・国民に発信する方法。研究代表者はインターネットにより文化人類学のサイトを提供しており情報公開には鋭意努力をしている。

研究業績
2016以降
1.Kato, Hirofumi., Archaeological heritage and Hokkaido Ainu: ethnicity and research ethics, Archaeologies of ‘us’ and ‘them’. C. Hillerdal et al. eds., Routledge (in press).査読有
2.池田光穂「社会的健康とコミュニケーション:介入をめぐる公衆衛生と倫理について」保健医療社会学論集、27(1):62-72,2016、査読有
3. Mitsuho Ikeda and Suh, Sookja. From Where does Our Health Come?: The Sociology of Antonovsky's Salutogenesis. Communication-Design 14:83-93, 2016 査読有
4.太田好信「文化人類学と『菊と刀』のアフターライフ」『日本はどのように語られたか』桑山敬己編、Pp.31-56、昭和堂、2016、査読有
5.太田好信「ポストコロニアルになるとは?」『民博通信』154:10-11.2016,査読無
6.辻康夫「承認の政治と再配分の問題」『北大法学論集』67-3, Pp.312-348 2016、査読無
7.山崎幸治「在外アイヌ資料調査の経験から」、2016、伊藤敦規編『伝統知、記憶、情報、イメージの再収集と共有』国立民族学博物館調査報告137.Pp. 109- 117.2016、査読有
8. Seki, Yuji. Participation of the Local Community in Archaeological Heritage Management in the North Highlands of Peru. Finding Solutions for Protecting and Sharing Archaeological Heritage Resources, Underhill, A.P. et al. eds., Pp.103-119, Springer. 2016 査読有
9.石垣直「交錯する「植民地経験」」三尾裕子ほか編『帝国の記憶』Pp.233-260, 慶應義塾大学出版会,2016,査読無
10.石垣直「現代台湾における原住民母語復興(2)教科書・教材内容の検討」『南島文化』 38:1-27,2016,査読有
2015
11.Suh, Sookja and Mitsuho Ikeda, Compassionate Pragmatism on the Harm Reduction Continuum: Expanding the Options for Drug and Alcohol Addiction Treatment in Japan, Communication-Design 13:63-72,2015.査読有
12.太田好信「見返され,名指される経験から生まれる反省」『民博通信』149:14-15, 2015、査読無
13.辻康夫「イギリスにおける社会統合政策と多文化主義:安達智史『リベラル・ナショナリズムと多文化主義』をめぐって」『北大法学論集』66-2, pp.391-402. 2015、査読無
14.加藤博文「アイヌ考古学とパブリック考古学」、『季刊考古学』第133号、雄山閣、pp.72-75、2015、査読有
15.山崎幸治「映像作品をめぐる対話—北海道における<アイヌと境界>展」高倉浩樹編『展示する人類学—異文化と日本をつなぐ対話』昭和堂.Pp. 171-198.2015、査読無
16.丹菊逸治「アイヌと「民族」をめぐる誤解」『アイヌ民族否定論に抗する』岡和田晃ほか編、河出書房新社、pp231-247、2015、査読有
17.細川弘明「民族語の同時多発的な再生力」『オルタ』469号、アジア太平洋資料センター、2015、査読無
18.石垣直「現代台湾における原住民母語復興(1)諸政策の歴史的展開と現在」『南島文化』 (37) 1-24. 2015.査読有
基盤A・B(一般)—8
研究業績(つづき)
2014
19.池田光穂『生命倫理と医療倫理(改訂3版)』[共著]伏木信次・樫則章・霜田求編、金芳堂(担当箇所:第21章「医療人類学」Pp.224-233)255pp.2014年、査読無
20.池田光穂『世界民族百科事典』[共著]国立民族学博物館編、丸善(担当箇所:「病気観と身体観」Pp.686-687;「民族表象と運動」Pp.738-739)、816pp. 2014年、査読有
21.池田光穂「科学における認識論的アナーキズムについて」『現代思想』42巻12号、Pp.192-203、2014年、査読無
22.池田光穂「研究不正とどのように向き合うのか?:実践的審問」『質的心理学フォーラム』6巻、Pp.18-25、2014年、査読有
23.Ota, Y., , “Strange Tales from the Road: A Lesson Learned in an Epistemology for Anthropology.” The Challenge of Epistemology: Anthropological Perspectives.  Christiana Toren and Joao de Pina-Cabral, eds., pp. 191-206.  London: Berghan. 2014, 査読有
24.Brace CL, Seguchi N, et al, . The Ainu and Jomon Connection. Kennewick Man: The Scientific Investigation of an Ancient American Skeleton. Douglas W. eds., Texas A&M Press, College Station. pp.463-471. 2014, 査読有
25.辻康夫「ロック:宗教的自由と政治的自由」川出良枝編『主権と自由』岩波書店, pp.193-215. 2014年 査読有
26.Kato,Hirofumi, The Hokkaido sequence and the archaeology of the Ainu people”, in C. Smith ed. The Encyclopedia of Global Archaeology, Springer, New York, 2014, 査読有
27.関雄二「中米グアテマラにおける内戦の記憶と和解」小田博志・関雄二編『平和の人類学』pp.95-117、京都:法律文化社。2014,査読無
28.山崎幸治「境界を展示する—「アイヌと境界」展における試み—」『境界研究』特別号.pp.141-149.査読無.2014.
29.岩下明裕・木山克彦・水谷裕佳・山崎幸治「先住民という視座からの眺め」『図説ユーラシアと日本の国境ボーダー・ミュージアム』岩下明裕・木山克彦(編著).北海道大学出版会.pp. 89-96. 査読無.2014.
30.石垣直「現代台湾における原住民族運動:ナショナル/グローバルな潮流とローカル社会の現実」『台湾原住民研究の射程』日本順益台湾原住民研究会編、77-105.風響社、2014 査読無

2013
31. 池田光穂「ヘルスコミュニケーションの生命倫理学」Pp.234-256『医療情報』板井孝壱郎・村岡潔編、丸善出版(担当箇所:第12章)260pp, 2013.(査読有)
32. 池田光穂「情動の文化理論にむけて」Communication-Design, 8:1-34,2013.(査読有)
33. 太田好信「アイデンティティ論の歴史化—批判人類学の視点から」『文化人類学』第78巻2号、245-264頁。2013.(査読有)
34. 太田好信「アイデンティティと帰属をめぐるアポリア—理論・継承・歴史」『文化人類学』第78巻2号、198-203頁。2013(査読有)
35.Seguchi N and Heiner C. 2013. Differences in prevelence of Tuberculosis mortality among the Ainu and the Ethnic Japanese during the early Twentieth Century: Socio-Economic and political structural influences.『人種表象の日本型グローバル研究』京都大学人文科学研究所、Pp.14-28、2013、査読無
36.辻康夫「多文化主義理論の諸類型の検討」『法政理論』45巻3号、pp.35-59.2013年、査読無
37.Weber, A., Jordan P., and Kato H. Environmental change and cultural dynamics of Holocene hunter-gatherers in Northeast Asia: Comparative analyses and research potentials in Cis-Baikal (Siberia, Russia) and Hokkaido (Japan). Quaternary International, 290-291: 3-20, 2013,査読有
38. 関雄二「最初のアメリカ人の移動ルート」印東道子編『人類の移動誌』、臨川書店、pp.206-218、2013, 査読無。
39. 丹菊逸治「サハリン口承文学の地域差」『口承文芸研究 第三十六号』2013, 査読有
40.石垣直「先住民族運動と琉球・沖縄:歴史的経緯と様々な取り組み」沖縄国際大学編,『世変わりの後で復帰40年を考える』Pp.271-309,東洋企画,2013, 査読無

基盤A・B(一般)—9
研究業績(つづき)
2012
41. 池田光穂編『コンフリクトと移民』池田光穂編10名執筆、大阪大学出版会、(担当箇所:「序論コンフリクトと移民:新しい研究の射程」Pp.3-30、 「第2章外国人労働・構造的暴力・トナンスナショナリティ」Pp.49-74、「第11章「コンフリクトと移民」を考えるブックガイド」Pp.303- 335)339pp,2012.(査読無)
42. 池田光穂「地方分権における先住民コミュニティの自治:グアテマラ西部高地における事例の考察、『ラテンアメリカ研究年報』(日本ラテンアメリカ学会, ISSN: 02861127)No.32、Pp.1-31, 2012.(査読有)
43. 太田好信『政治的アイデンティティの人類学』昭和堂、2012, 査読無
44. 太田好信『ミーカガン—沖縄県八重山地方の潜水漁民の眼からみた世界』 櫂歌書房2012,(査読無)
45.辻康夫「マイノリティと政治理論」、『政治思想学会会報』第37号、pp.1-5. 2012年 査読無
46.加藤博文ほか編『新しいアイヌ史の構築:先史編・古代編・中世編』、北海道大学アイヌ・先住民研究センター、221頁、2012、査読無
47.加藤博文ほか編『先住民文化遺産とツーリズム:アイヌ民族における文化遺産活用の理論と実践』、北海道大学アイヌ・先住民研究センター、160頁、2012、査読無
48. 山崎幸治ほか編『世界のなかのアイヌ・アート』北海道大学アイヌ・先住民研究センター、2012, 査読無
49. 関雄二他2名編『アンデス世界 交渉と創造の力学』世界思想社、2012,査読無
50.細川弘明「アイヌ民族」「先住民族」『現代社会学事典』大澤真幸ほか編、弘文堂、2012年、査読無
51.石垣直「現代台湾社会をめぐる「求心力・遠心力」」『交錯する台湾社会』沼崎一郎ほか編Pp.101-137、アジア経済研究所、2012、査読有
2011以前
52. 関雄二「東京大学文化人類学教室のアンデス考古学調査」山路編『日本の人類学 植民地主義、異文化研究、学術調査の歴史』pp.517-571、関学出版会(無)、2011
53. 丹菊逸治「アイヌ異類婚譚における「守護神」--ニブフ民族の伝承との比較から」『和光大学表現学部紀要11号』p122-130、査読無、2011
54. 丹菊逸治「ニヴフ語の複数表示 —ポロナイスク方言の-gunの特殊用法」『北方人文研究 第5号』(北方言語ネットワーク編)査読無、2011
55. YAMASAKI, Koji “Sustainability and Indigenous people: A case study of the Ainu people,” Sustainability Science IV - Designing Our Future. Okazaki,M. et al., eds., United Nations University Press. (IR3S book series vol. 4). pp. 360-374. 査読有.2011.
56. 池田光穂『国際ボランティア論』内海成治・中村安秀編、ナカニシヤ書店、(担当箇所:「国際ボランティアと学び」Pp.26-40)186pp. (査読無)、2011
57. 池田光穂「拡張するヘルスコミュニケーションの現場」、『保健医療社会学論集』22(2):1-4(査読無)、2011
58. Ota, Y., “Strange Tales from the Road: A Lesson Learned in an Epistemology for Anthropology.” In The Challenge of Epistemology: Anthropological Perspectives.  Christiana Toren and Joao de Pina-Cabral, eds., pp. 191-206.  London: Berghan. 、2011 査読有
59.太田好信『トランスポジションの思想(増補版)』世界思想社、2010、査読無
60.太田好信『亡霊としての歴史』人文書院、2008、査読無
61.太田好信『人類学と脱植民地化』岩波書店、2003、査読無
62.太田好信『民族誌的近代への介入』人文書院、2001、査読無

これまでに受けた研究費とその成果等
【科学研究費補助金】
●基盤研究(C)2015〜2018年度「先住民性が可視化する白人性に関する比較研究」太田好信(本研究課題の研究分担者)直接経費(205年900千円,2016年900千円,2017年900千円,2018年600千円)

 本研究は、先住民運動の中心にある先住民性という概念を、米国ハワイ州、沖縄県、北海道という三つのフィールドにおける支配的多数派との関係を考察する ことにより可視化する。先住民性と先住性とは異なり、コロニアリズムという歴史を開示する。ハオレ(カナカ・マオリが白人入植者を呼ぶ名)、ヤマトゥ(沖 縄の住民が日本本土人を呼ぶ名)、シャモ(アイヌから和人を呼ぶ名)は、リベラル民主主義国家では、時代遅れのナショナリズムとして扱われがちだが、それ らの意義を先住民の視点から解明する。

【成果と意義】「本研究は、人種から遊離し、暗黙の前提となっている視点を白人性と 呼ぶことから出発した。近年、先住民(族)という表現をしばしば耳にするようになっているが、白人性と先住民性との関係を考察した。先住民性は、白人性を 入植者植民地主義としてとして意識することを可能にする。本研究では、ハワイ先住民主権運動、アイヌ民族運動、琉球独立論の比較検討をおこない、白人性と 先住民性との関係を明らかにした。/近年、日本ではアイヌ民族が先住民族として認められ、また大規模なアイヌ民族博物館も建設されつつある。先住民(族) は、過去に存在した人びとではなく、近代を生きるわたしたちの隣人であり、歴史的にみても、日本を構成する大切な人びとと再認識されている。しかし、残念 ながら、先住民(族)と国家の歴史を捉える視点は、十分に国民の間では広がっているとはいえない。博物館は過去の遺物の展示という印象も与えてしまうこと もあり、今後はアイヌ民族や琉球民族の存在を同時代の人びと、隣人と捉え、相互理解を進めてゆくべきであろう。本研究はそのような社会的貢献を目標として いる


●基盤研究(C)2011〜2014年度「ポストヴァナキュラー論構築の試み」研究代表者:太田好信(本研究課題の研究分担者)直接経費(2011年1,100千円,2012年900千円,2013年900千円)

 ポストヴァナキュラー論の観点から、グアテマラ・マヤ系言語、アイヌ語の言語研究・言語復興運動、ハワイ日系人の日本語教育運動などの比較研究が進行中 である。言語共同体を完全に喪失した言語の復興の課題が明らかにされ、コミュニケーションの手段と一義的に定義されてきた言語が、断片化された価値を象徴 的に表現する可能性を新たに持ちうるという社会的機能の発見等、篤実に成果があがっている。それゆえ、この研究の成果の延長上に、メソアメリカのマヤ系先 住民研究者とアイヌ研究者が連携や「対話」を試みようとする本研究課題に関する基本的アイディアを提供していると評価できる。

【成果】「20世紀を通して、国民国家形成から脱植民地化までを牽引してきたのは、 言語、文化、アイデンティティが一体化した「ヴァナキュラー論」である。だが、これに代わり、21世紀の現代社会における複雑な社会集団の現状を把握する ため、言語、文化、アイデンティティ間にある新しい関係を想定する「ポストヴァナキュラー論」を提示した。

●基盤研究(B)2010〜2013年度「中米先住民運動における政治的アイデンティティ:メキシコとグアテマラの比較研究」研究代表者:池田光穂(本研究課題の研究代表者)直接経費(2010年度3,500千円,2011年度3,100千円,2012年度3,100千円,2013年度2,800千円)

 メキシコおよびグアテマラの先住民(先住民族)について、彼/彼女らを本質主義的な文化的アイデンティティの担い手とみるのではなく、周縁化による排除 から自らの権利行使としての国政への参加や存在の文化的顕示の実践、すなわち先住民の政治的アイデンティティの主体(およびその構築)という観点から捉え 直すことがこの研究の目的である。言語復興運動における先住民が果たす社会的役割の意義や、地方自治や自警活動、国政への参画などの調査結果は、本研究課 題が模索している先住民族の文化実践家の今後の課題などの研究に役立つはずである。

【研究概要】「私たちの研究は、メキシコとグアテマラ両国における先住民(先住民 族)について、先住民運動の中にみられる政治的アイデンティティについて現地に赴く民族誌調査を通して明らかにしてきた。具体的には、世界の他の地域での 民主化要求運動、すなわち自治権獲得運動、言語使用の権利主張や言語復興、土地問題、国政への参加、地方自治などの研究を通して、(a)外部から見える社 会的な政治文化としての「抵抗」の実践と(b)内部の構成員から現れてくる文化政治を実践する際の「アイデンティティ構築」という二つのモーメントと、そ の組み合わせのダイナミズムからなる資料を数多く得ることができた

●基盤研究(B)2005〜2007年度「先住民の文化顕示における土着性の主張と植民国家の変容」研究代表者:太田好信(本研究課題の研究分担者)直接経費(2005年度4,700千円,2006年度4,200千円,2007年度4,500千円)

 過去20年近く先住民(先住民族)たちの政治活動は活発になってきた。この研究課題は、先住民運動が活発であるラテンアメリカと太平洋地域において、国 家と先住民がお互いに土着性の主張をめぐり競合する状況を解明することにあり、ラテンアメリカやニューカレドニアにおいて、土着性は先住民が国家の市民で ありながら、同時に文化と政治を横断する数少ない概念であり、ラテンアメリカと太平洋地域では先住性が主題化され文化の政治化が著しく進行していることが 判明した。この研究課題を遂行途上にて、2007年の国連における「先住民族の権利に関する宣言」がなされ、我々の研究は、文化の政治化の概念が重要であ ることが確認された。このテーマは、3年後に採択されることになる「中米先住民運動における政治的アイデンティティ」の研究に多いに影響を与え、かつ先住 民族における言語や文化復興運動の意義をより一層強調することになった。

研究概要:「近代国家内では、先住民は消滅してしまったという進歩の物語に抗するよ うにして、ここ20年近く先住民たちの政治活動は活発になってきた。本研究の目的は、先住民運動が活発であるラテンアメリカと太平洋地域において、国家と 先住民がお互いに土着性の主張をめぐり競合する状況を解明することであった。独立後近代国家内部に先住民を抱え込むことになるラテンアメリカやいまだ完全 に脱植民地化を達成していないニューカレドニアにおいて、土着性は先住民が国家の市民でありながら、同時に自らの文化的独自性を主張できる(文化と政治を 横断する)数少ない概念である。本研究の成果として、ラテンアメリカと太平洋地域では文化の政治化が著しく進行していることが判明した。たとえば、エクア ドルの二言語教育では、国家の多文化主義政策が、先住民たちの文化に基盤をおいた主張を回収し、先住民の承認が完了しているかのような印象を与えている。 グアテマラでも、文化遺産は国家の管理対象なのか、それともマヤたちの現在に帰属するのか、いまでも論争の的になっている。ニューカレドニアでも、カナ ク・アイデンティティの承認は、ニューカレドニア独立派を分断する事態となっている。これからの課題として、先住民が新自由主義(経済)や多文化主義によ り再編されている国家内で、どのようにして先住民として生き抜くのか、先住民の現在から未来へと向けた活動に着目する必要がある



人権の保護および法令等への遵守への対応
・本研究は、日本および海外での現地調査を予定しているため、参与観察、インタビュー、民族誌的データの収集等において、個人のプライバシーに関わる情報を取得する可能性を有する。
・人類学の歴史において先住民との関わりにおいて、さまざまな社会的影響や問題についての議論(e.g.泉靖一;祖父江孝男;本多vs.山口論争)があり、つねに細心の注意をもって、また国内外の研究倫理上の諸成果をつねに反映させる体制で臨む。
・研究情報の保護に関しては、調査対象者に文書および口頭において、事前に確認をとり、被調査者との信頼性を確保することに努める。また、データを記載し たフィールドノートならびにパーソナル端末等は管理を厳格にして漏えいがないように努める。また研究発表に関しては、個人情報と当人とが「連結可能」にな る危険性をもつ場合は、必ず本人に照会するようにする。
・これらの調査上における個人情報の保護と、文化人類学者としての研究上の責務に関しては「日本文化人類学会倫理綱領」(www.jasca.org/onjasca/ethics.html) に記載されている理念を本研究に関わるすべての人と共有するように努める。また、この要綱は研究の各年度の初回の会合・集会のごとに(事前にメールあるい は)印刷配布して、倫理上のミスコンダクトがおこらないように留意する。研究代表者はウェブで「研究倫理入門」を公開しているが、この研究での最新情報を 適宜紹介するようにつとめ人類学研究の説明責任と倫理について内外に啓蒙活動をしている。
・研究代表者が所属する大阪大学COデザイン・センターには、研究倫理委員会が設置されており、研究が採択されることがわかった時点で、審査のための具体的な調査項目に関する研究計画書を別途作成し、その研究倫理上の審査を受けるものとする。

研究経費の妥当性・必要性
1. 設備備品では、本研究を遂行する上で必要な支出項目とその金額を算定して、「先住民と人類学の関係性関連文献」を初年度以降3研究機関に収書することと し、1機関あたり平均して40冊、40冊、20冊、10冊(単価見込8千円)の年度により低減する購入にあてた。消耗品費については必要かつ最小限の文具 雑費を見込んだ。
2.国内旅費については、各年、研究分担者による(北海道大学で開催を予定している)国内調査旅費と研究会出席および研究打合旅費を計上した。最終年度 は、アイヌコミュニティを交えた公開シンポジウムを予定しているために国内移動の費用を計上している。これらは研究を円滑に遂行するための適切なインター バルと回数であると査定した。
3.海外旅費については、現地調査費(目的地は「研究目的及び研究計画の概要」等に記載)をそれぞれの研究者の旅程にあわせて計上している。海外調査計画 は安価でかつ安全な経路の最安値のものであり、また日数も成果をあげるための適切な期間を、これまでの現地調査の結果から設定している。それぞれの研究者 とも、現地社会の言語・文化・最新の治安情報については知悉しており、海外のカウンターパートとなる研究者や現地情報提供者とのラポールが良好である。
4.人件費・謝金については、研究代表者が所掌する連携研究者への旅費計算・支払い手続等の事務処理のために不可欠な時間と人員を確保するとともに、必要 かつ最小限の支出に抑えてある。研究協力謝金は、国内および海外の情報提供者ならびに専門知識の提供を求めるために計上した。
5.科学研究費補助金の趣旨に鑑み、それぞれの研究者は勤務地でのエフォート管理にもとづき、その施設のファシリティや機器を使える条件にあり、その他の費用は必要かつ最小限に設定している。それらの項目を含む、すべての各項目が研究経費の90%を超えることはない


Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

Do not paste, but [Re]Think our message for all undergraduate students!!!owl