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第8章 民俗疾患概念(Folk concepts on Health and Disease

池田光穂


民俗疾患モデル(folk illness model)とは?

「厳密に言うと、ドローレスにおいて人びとが経験する病気は、 ほかの地域と同様、ただひとつのエピソードをもつ固有のものである。人びとは、そのような病気に対してさまざまなラベルを貼り、それを分類し、またそれま での経験や、看護者をふくめた周囲の人たちとの相互交渉のなかで、病気とそれに対する対処行動が何であるかを理解する。病気に関する人びとの感覚や経験 が、言語によって表現可能であるために、彼らとは完全には共通の文化的背景をもたない研究者も、それらの語彙や分類――言語によって分節化される範疇の集 合――の採集が可能になる。さらに、研究者もまた病気や痛みを日常生活のなかで経験するために、その症状や経過について、相談したり、話し合ったりするこ とで、厳密で明確な輪郭を描くことはできないものの、病気のラベルが指し示すものについて誤解の少ない理解に到達することができる。このような意味の領域 を、民俗疾患モデル(folk illness model)と呼んでおこう。」


池田光穂『実践の医療人類学―中央アメリカ・ヘルスケアシステ ムにおける医療の地政学的展開―』世界思想社、2001年(ISBN4-7907-0874-8)本体定価5,800円

目次
第I部 医療人類学と国際保健

第1章 医療人類学[→医療人類学入 門1997

第2章 健康の開発史[→「健康の開 発」史

第3章 世界医療システム[→世 界医療システム

第II部 医療体系論

第4章 制度的医療論

第5章 医療的多元論[→医療的多 元論 ][→医療的多元化の理論

第6章 医療の動態的過程[→伝統医療と近代医療の二元論を超えて

第III部 疾患の民族誌

第7章 村落保健[→あるメス ティソ農村社会の医療民族誌

第8章 民俗疾患概念

第9章 食 生 活

第10章 自己投薬[→自 己投薬行為

第IV部 疾患と健康

第11章 疾患の文化的解釈I[→下痢性疾患と社会

第12章 疾患の文化的解釈II

第13章 健康の概念[→ヘルス・プ ロモーションとヘルス・イデオロギー

第V部 コミュニティ参加と現代社会

第14章 コミュニティ参加の保健プロジェクト

第15章 「医療と文化」を再考する[→「医療と文化」再考

第16章 結  論

附録 コミュニティ参加の保健研修
あとがき
薬用・野生食用植物一覧
村落保健用語集
文献目録
附表 疾患と医療のモデル

池田光穂 著
定価6,090円(税込)
2001年発行
A5判/406頁
ISBN978-4-7907-0874-2

【帯】
低開発国に対する医療援助・協力の現場では、いったい何が起こってい るのか。本書は、村落保健に関するフィールドワークとグローバル化する国際保健研究を
総合した労作である。第一人者の案内で、臨床=応用人類学のフロンティアへ!


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